2014 Fiscal Year Research-status Report
閲覧者の視線計測に基づく情報提示の分析・設計と評価
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26750004
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 毅 芝浦工業大学, デザイン工学部, 准教授 (20581747)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視線計測 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
閲覧者がポスターのどの部分を注視しているか、視線がどのような軌跡をたどったかといった、より高次な情報を抽出するための、カメラ用いた視線推定法を2つのアプローチから構築した。 1つ目のアプローチは、計測対象者の目や顔の特徴点、人体の構造を利用し、視線の角度を算出するものである。本手法の主となる視線推定法は、カメラ画像から虹彩を抽出し、その輪郭に対して楕円を当てはめ、その楕円パラメータから視線方向を推定するものである。この手法では片目のみの虹彩の情報が検出できれば視線推定が可能であるが、ノイズ等の影響により輪郭情報が十分得られないと曲線当てはめの精度が悪化し、視線推定が失敗してしまう。そこで、精度は劣るものの、比較的ロバストに視線推定を行うことが可能な、虹彩の中心位置と、人体モデルから推定した眼球の中心位置を結ぶベクトルにより視線を推定する手法を組み合わせることを提案した。 2つ目のアプローチは、角膜に反射した画像を観測し、対象が注視されているかどうかを求める手法である。しかし、このアプローチでは、目領域の高解像度画像が必要となる。そこで、超解像技術を応用し、複数フレームの画像から、劣化の要因となるボケやサンプリングなどを推定し、高解像度な画像を復元した。そして、高解像度化した画像に対し、既知であるポスター画像から抽出した特徴を基に、機械学習を適用することで対象となるポスターが注視されているかどうかを推定する手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は、初年度の(a)視線推定システムの構築と、2年次の(b)観測情報の分析とデザインへの利用、の2点からなっており、初年度に提案通り観測システムの構築を行った。 観測情報に基づいて視線推定システムへの要求仕様のフィードバックが行われる可能性は考えられるが、想定されている問題であり、おおむね順調に進展しているものと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度に構築したシステムを用い、効果的な情報提示を行うためのポスターについて分析を行う。 これまでに研究代表者が提案してきた経路パターンを分類する手法を視線情報に適用することによって、視線の軌跡のパターン分類を行う。さらに、視線の軌跡のパターン及びアンケート結果から、見出しや詳細な情報のレイアウト、図の配置、色彩といったデザイン要素と、重要な情報への到達までの時間や印象に残る項目といった情報伝達要素との関係性を明らかにし、情報伝達におけるポスターデザインの評価項目を抽出する。 一方、ディジタルコンテンツは、動画の利用など表現の幅が広がるため、有効な情報伝達の手段である考えられている。そこで、ディジタルコンテンツを利用する場合にもポスターと同様の分析を行い、情報伝達におけるディジタルコンテンツの利用効果の評価を試みる。
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