2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26750014
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 久美子 福岡工業大学, 社会環境学部, 助教 (40508503)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 仲人 / 配偶者選択 / 家族形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域社会の中で暮らしながら、時には男女の縁を取り結ぶ「仲人」に注目して、男女の縁を取り結ぶ際の技や知恵を明らかにし、そこから結婚活動のあり方を考えることを研究の目的としている。
本年度は、仲人経験者や、仲人に縁を取り結んでもらい結婚した人を対象として、インタビュー調査を行った。ここではビジネスとしてではなく日常生活の中で身近な人に自ら声がけしたり、頼まれたりして縁談の世話をしている仲人に注目した。また、社会学・民俗学等における家族や結婚に関する諸研究を検討し、本研究を進めるにあたっての視点形成を行うための準備を行った。
インタビュー調査においては、仲人の縁を結ぶための技や工夫そのものだけを聞き取るのではなく、そこには仲人自身の生き方が投影されていると考え、それらがどのように形成されたのかを考察するために、仲人自身がどのような人生を送ってきたのか、日常生活の中で地域の人や仕事上身近な人たちとどのように関わり、どのような姿勢で過ごしてきたのかを知るように努めた。仲人は現在でも女性たちによって多く担われ、もしくは担われることだと考えられているが、それはコミュニティにおける女性同士の関係の結び方、女性たちのふるまい方と密接に関わっていた。この研究成果の一部は日本民俗学会第66回年会において発表し(「配偶者選択における仲人の経験」)、今後の研究推進のための有意義な意見交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に研究の対象とした仲人は、ビジネスとして男女の縁を取り持っている人ではなく、普段の生活の中で身近な人を相手にそれを行っている人たちであった。そのため対象者に出会うこともそうだが、特にプライバシーに配慮しなければならない時代になったことから相手の都合等もあり調査が難しい部分があった。しかし、次年度のインタビュー調査に向けて道筋をつけつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
計画に特に大きな変更はなく、次年度もインタビュー調査とこの分野の既存の研究蓄積を把握するための文献資料の収集を継続する。仲人をビジネスとして行っている人や、他県の自治体による結婚支援事業における仲人へと調査の対象を広げる予定である。
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Causes of Carryover |
多くの文献資料を購入したが、それでも購入予定金額に達しなかったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
他県でのフィールドワークのための旅費と、文献資料購入のために使用する予定である。
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