2014 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病性認知機能障害の防御を目指した柑橘類由来成分の機能解明
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26750058
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
奥山 聡 松山大学, 薬学部, 助教 (40550380)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 脳機能障害 / 柑橘由来成分 / 脳虚血 / 海馬 / 神経細胞 / ミクログリア / タウタンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々は、愛媛県特産柑橘「河内晩柑」の果皮に含まれるヘプタメトキシフラボン(HMF)とオーラプテン(AUR)が、脳虚血障害に対し抗炎症作用、神経細胞死抑制作用などを示し、脳保護効果を持つことを明らかにしてきたが、河内晩柑果皮自体の効果については明らかでなかった。このことから、脳虚血モデルマウスに対し、河内晩柑果皮粉末の影響をみる実験を行った。河内晩柑果皮粉末を1日1回5日間経口投与した後、12分間の一時的な脳虚血‐再灌流手術を実施、その後も河内晩柑果皮粉末を3日間投与した。その後、脳を取り出し脳切片を免疫組織染色法で評価した。脳虚血により、海馬でミクログリアの活性化と神経細胞死が見られたが、河内晩柑果皮粉末の投与によりそれらは抑制された。 次いで、糖尿病と脳虚血の合併症による糖尿病性認知機能障害に対する影響をみるために、まずストレプトゾトシン(STZ)誘発高血糖モデルマウスを作製し、河内晩柑果皮の効果について検討を行った。高血糖により、神経細胞内のタウタンパク質のリン酸化が過剰になり、これが神経細胞の機能および認知機能に悪影響を及ぼすことが示唆されているが、河内晩柑果皮投与により、海馬においてタウタンパク質の過剰なリン酸化が抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
STZ誘発高血糖モデルマウスの作製に時間がかかってしまい、当初予定していたSTZ誘発脳障害と脳虚血障害を併せたモデルマウスの作製には至らなかった。しかしながら、STZ誘発高血糖モデルマウスにおいてみられる脳神経障害に対し、河内晩柑果皮投与が抑制効果を示すことを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は河内晩柑果皮含有成分である、HMF、AUR、ナリンギンについても、STZ誘発高血糖モデルマウスに対する作用を明らかにする。続いて、STZ誘発脳障害と脳虚血障害を併せた脳機能障害モデルに対して、効果を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
予算内で購入できる物品の調整がつかなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の予算と合わせて使用する。
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Research Products
(2 results)