2014 Fiscal Year Research-status Report
文化施設のオンデマンド・フロアガイド創作ー空間と作品情報のオープン化
Project/Area Number |
26750104
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿児 雄之 東京工業大学, 学内共同利用施設等, 講師 (00401555)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 博物館情報学 / フロアマップ / オープンデータ / OpenGLAM |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はフロアガイドの収集とその分析に焦点をあて研究をおこなった。 文化施設のうち、日本国内の主要博物館・美術館(388館)と大学博物館(91館)の公式ウェブサイトに掲載されているフロアガイド/フロアマップを対象として、その案内図に記載されている語句を抽出整理した。主要博物館・美術館では54%(210/388館)、大学博物館では33%(30/91館)が、公式ウェブサイトにフロアガイドを掲載しており、記載語句数としては約15,000語(重複含む)にのぼった。これら語句データについては頻度分析などの基礎的分析に留まっており、引き続き分析を続ける予定である。また、収集数も少ないうえ、収集対象が博物館・美術館のみに留まっているため、分析と並行し、フロアガイド収集も継続する。 フロアマップの描画ならびに収蔵品・展示情報のオープンデータ化については、国内外におけるオープンデータを対象とした活発な議論(例:総務省「オープンデータ戦略」の推進)と連動した"OpenGLAM"や"Wikipedia town"をキーワードとする研究会・イベントに参加し、特に本研究が担う役割や求められている課題について、企画者および参加者とともに議論を重ねた。特に第2回OpenGLAM JAPANシンポジウム(2014.9.27開催)や第4回OpenGLAM JAPANシンポジウム(2015.3.29開催)、「じんもんそん~文化芸術情報の活用を考える~」(2014.12.13開催)において、本研究で実施するワークショップの在り方について具体的な議論をおこなうことができ、多くの新たな協力者を得ることができた。平成27年度以降、これらで得た知見を活かし、本研究課題をテーマとしたワークショップを展開する計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度後半から実施する予定であったフロアマップを描画するワークショップは、研究代表者が在籍する博物館施設の機能改修工事の影響により、開催することができなかった。しかし、ワークショップ運営スタッフにフロアガイドの語句入力作業に携わってもらったことにより、当初の計画よりフロアガイドの語彙収集を進めることができた。研究要素によって進捗にばらつきが生じてしまったものの、研究計画全体としてはおおむね順調に進展していると考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は積極的にフロアマップを描画したり、収蔵品や展示情報をオープンデータ化するワークショップを開催する計画である。平成26年度に参加した研究会や関連ワークショップでの共通課題として、継続的なワークショップ開催を通じたオープンデータの普及が挙げられていた。本研究課題では、定期的にワークショップ開催を開催し、知見・経験を蓄積しながら同時に「文化施設のフロアガイド」に関わるオープンデータ作成を進める。 また、平成26年度に実施できなかった各文化施設で作成されているフロアガイド実体物(紙媒体)の収集を実施する。現在、収集候補となる文化施設一覧を作成しており、それが完成次第、一斉に収集する計画である。
|
Causes of Carryover |
繰越額の内容は、文化施設のフロアガイド収集にかかる通信費である。当初の計画では平成26年度の実施としていたが、全国の文化施設(博物館・美術館、図書館、文書館、公民館など)一覧が存在しておらず、フロアガイドを提供頂く候補一覧を作成する段階から始めねばならなかった。全国すべてを網羅することは不可能であり、効率的な依頼と提供をおこなう必要がある。この候補一覧作成を作成する作業が増えたため、次年度への繰り越しが生じてしまった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に実施できなかったフロアガイド実体物(紙媒体)の収集を実施する。予算に照らしあわせて収集対象機関数を設定し、候補一覧ができ次第おこなう計画である。また、ワークショップも博物館施設の機能改修工事が終わる夏より開催する計画である。
|