2015 Fiscal Year Research-status Report
文化施設のオンデマンド・フロアガイド創作ー空間と作品情報のオープン化
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26750104
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿児 雄之 東京工業大学, 博物館, 特任講師 (00401555)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フロアガイド / オープンデータ / 博物館情報学 / OpenGLAM / OpenStreetMap / Wikipedia |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は前年度に引き続き、フロアガイドの収集と分析をおこなった。 博物館・美術館、図書館、文書館の公式ウェブサイトに掲載されているフロアガイド/フロアマップを調査、フロアごとに記載されている語句を抽出整理した。これら語句のを分析した結果、トイレなど共通して記される語句と館機能を反映した語句に大別されることを証明できた。そして同時に、意味・概念は同じであるが、記載語句に大きな揺れが存在するという問題をも明らかにした。図書館について整理したものについては、Code4Lib Japan(2015.9.4,5開催)において発表し、これら潜在的な問題を実記載データに基づて共有することができた。なお、整理データのうち、図書館122フロア分と文書館31フロア分については、誰もが広く利活用できるように、LinkData.oeg(http://ja.linkdata.org)を通じて公開している。 加えて、収蔵品ならびに展示資料情報をオープン化する試みとして、WikipediaとWikimedia commonsを活用したワークショップ「博物館をひらくー東京工業大学博物館編」をひらいた(2016.3.21開催)。日本において、博物館・美術館などのオープンデータ化を推進するOpenGLAM JAPANと共催し、博物館関係者のみならず、図書館・文書館関係者、Wikipedianなど多くの方が参加し、東京工業大学博物館のWikipedia記事を執筆した。文字情報以外にも博物館展示品写真などもWikimedia Commonsを通じて公開されたのが特長である。このワークショップは反響を呼び、様々なBlogでも取り上げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度に改修工事で開催できなかったワークショップを東京工業大学博物館にって開催することができた。これによって、実際にフロアガイドを作成する際のノウハウなどを蓄積するひとつの形を見出すことができた。 一方、フロアガイドの収集・分析については、各館の公式ウェブサイトを対象としたものは進んでいるものの、紙媒体として実際に配布されているフロアガイドの収集に着手できていない。引き続き、適切な収集方法を十分に検討し、実施する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、本研究の最終年度にあたるため、自由にフロアガイドを作成できる環境・手法ならびにデータ・参考資料を整えることを目的とする。平成27年度中に、一部データについては、オープンデータとして公開し、一定の評価ならびに利用を得ているので、この方向で推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
繰越し額の内容は、文化施設のフロアガイド収集にかかる通信費と旅費である。通信費については、返答をいただけるであろう協力館の数が見込めず、収集を実施できない状況であった。また、旅費については、参加を予定していた国際会議への参加調整が日程状困難であり、参加を断念することとなったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実施できなかったフロアガイド実体物(紙媒体)の収集を実施する。また、これまで実施してきたフロアガイド収集・分析とワークショップ開催成果を軸として、各種学会などで発表する予定である。
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Research Products
(4 results)