2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of fluorescent X-ray computed tomography using multi pinhole collimator
Project/Area Number |
26750142
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
砂口 尚輝 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (60536481)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光X線 / 小動物分子イメージング / 放射光X線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、マルチピンホールを用いる蛍光X線CT(pFXCT)を開発し、マウス等の小動物撮像に向けた基礎的検討を行うことが目的である。従来の蛍光X線CTは、非放射性元素の空間分布を高感度・高空間分解能で画像化できるものの、CTの撮像方式が第一世代型CT方式を採用しており、高速撮像が望めなかった。初年度では、蛍光X線CTの高速化のために、タングステン製のマルチピンホールを開発し、第3世代型の蛍光X線CT撮像方式を実現した。また、pFXCTの撮像方式に基づくCT再構成アルゴリズムを開発し、25枚の投影像から50 ug/mlのヨウ素分布を画像化することに成功した。また、Geant4によるシミュレーションや各種ファントムを用いた実験を行い、システムの最適化を行ってきた。次年度では、小動物撮像に向けた基礎的検討を行うために、マウス試料の撮像実験を行った。これにより、in vitroではあるが、マウス肝臓の血管中元素分布を3次元的に画像化することができた。また、高精細なCT像を得るためには、事前に被写体、ピンホール、検出器の位置関係を高精度に取得しておく必要がある。そのために、キャリブレーション用のファントムを開発し、事前にファントムのCTを撮影して、CTから位置関係を高精度に見積もることが可能になった。最終年度では、金ナノ粒子(GNP)やガドリニウム造影剤など他の元素による撮像の可能性を検討した。GNPは、毒性が低く、生体適合性も高いことから、腫瘍の分子イメージングや放射線治療のモニタリング用途での利用が検討されている。GNPの撮像実験により、0.3 mg/mlの濃度分解能を確認した。本研究により、提案するpFXCTはヨウ素造影剤を利用するマウスの脳血流イメージングなどのin vivo計測に利用でき、また、GNPを利用すれば腫瘍の機能イメージングに利用できる可能性がある。
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