2015 Fiscal Year Research-status Report
吃音の言語訓練の自然性向上のためのコンピュータを用いた支援
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26750217
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
越智 景子 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 特任研究員 (20623713)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 吃音 / 言語訓練 |
Outline of Annual Research Achievements |
発話の流暢性の障害である吃音では、言語訓練として流暢性形成法が用いられ、その効果は実証されているが、流暢性を向上させて日常場面に汎化し効果を継続するには、自宅等での毎日の練習が必要であるが、正しく発話できているかの自己判断は難しい。また、練習した発話パターンは、不自然さのために日常での使用が妨げられることがある。そこで、本研究では、流暢性形成法で指導される、柔らかい声立て(軟起声)に焦点を当て、(1)コンピュータを使った自動評価法を開発する。(2)自動評価の結果をフィードバックしながら練習させることによって、自然性の高い発話パターンが獲得できる練習ソフトウェアを作成し、その効果を評価する。本年度は、自動評価方法をフィードバックするシステムを開発し、その短期的、長期的な効果の検証をした。短期的効果の検証は、吃音者9名、非吃音者6名で実施した。長期的な訓練の検証は吃音者1名について実施し、2名について現在実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度開発した軟起声の自動評価方法から、その結果をフィードバックするシステムを開発し、その短期的訓練効果を検証を実施できた。また、自動評価システムをタブレットPCなどに搭載し、長期的な効果の検証を行っているが、練習前後での吃音の軽減への有効性を調べるためにはまだ実施人数が十分とはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は長期訓練の実施人数を増し、前年度に引き続き軟起声の自動評価システムの長期的な訓練効果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
開発した自動評価システムによる言語訓練の長期効果の検証では、まだ実施人数が少ないためである。言語訓練で使用するPCの購入を予定していたが、研究協力者が少ないためまだ必要となっていない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は自動評価システムによる言語訓練の長期効果の検証のためと言語訓練の実施結果を解析するためにPCを購入予定である。また、検証結果の国際会議発表ののための参加費等や、論文投稿のための投稿料と英文校閲のために使用する予定である。
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Research Products
(3 results)