2016 Fiscal Year Research-status Report
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26750282
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 柔道教育 / 柔道指導要領 / 昇級審査規定 / 安全な指導法 / 基礎作り / 対象者別の指導法 / 選手育成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は現場調査を中心にしてドイツにおける柔道教育の現状と問題点を把握してみた。2016年8月15日から9月2日までの研究調査としては、ベルリン、ケルン、ドレスデンとボンを中心に地域の柔道クラブ及びケルン体育大学にあるナショナル・強化センター(Bundesleistungszentrum Köln)を中心に現場の指導の視察を行い、生涯スポーツとしての柔道及びジュニア選手の強化にかかわる指導者との会談も行った。また、指導者と審査員を対象にしたアンケート調査を行い、7才から14才までの青少年を対象にする柔道教育の基盤となる「柔道指導要領」と「昇級審査規定」に見られる問題点を把握した。さらに、2017年2月18日から19日までケルン体育大学に開かれたドイツ柔道連盟の指導者研修会に参加し、ジュニア選手の強化にかかわるコーチや各地の指導者との会談も行った。 本研究の結果として7才から14才までの青少年の柔道教育のガイドラインとなる「柔道指導要領」と「昇級審査規定」は安全な指導法と柔道の基礎作りにつながるが、実力が高い選手が集まるクラブ以外の対象者の異質性が高い地域の現場において選手育成を目指す「柔道指導要領」と内容が多い「昇級審査規定」という連盟のガイドラインに従った指導は状況によって難しく、ドイツ柔道連盟の強化部が目指す16才以下のジュニア選手の育成を目的とする「基礎試合戦術・勝負方法のコンセプト(Grundkampf-konzeption, GKKZ)の導入に反対する指導者の声が多いということも各地の現場の状況につながると考えられる。 本年度の研究業績は国際と国内の学会大会に発表し、大学の研究紀要に掲載された報告書にまとめた。さらに、2017年3月21日の全日本柔道連盟指導者養成委員会・コーチ教育ワーキンググループの会議において研究調査に得られた研究成果の報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツにおける資料収集及び現場調査は計画通りに進められ、日本国内の現場調査及び研究成果をまとめる作業も始められたため、研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は日本国内において少年柔道の指導法に関する現場調査を行うことを予定している。そのため、講道館の少年部及び各地の町道場の視察及び指導者との会談を計画している。日本国内の現場調査の成果も含めて4年間の研究成果を原著論文にまとめることにしたい。また、本研究の最終目標として本研究の成果を基にした現場で役に立つ対象者別の柔道指導法のマニュアルの作成を目指している。 さらに、本研究で得られた成果を多くの柔道関係者に公開できるように進めたい。一つとしては、2017年4月30日に東京で開催される柔道関係者が集まる「第2回フォラムJUDO3.0」においてゲストスピーカーとしての講演が予定されている。また、2017年9月、日本武道学会の第2回国際武道会議及び日本体育学会において口頭発表を行い、学術学会の学会誌及び大学の研究紀要に論文を提出する予定がある。
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Research Products
(3 results)