2014 Fiscal Year Research-status Report
競泳の指導・競技現場利用を目的とした経時的な重心速度変化における基盤研究
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26750301
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Research Institution | National Agency for the Advancement of Sports and Health |
Principal Investigator |
松田 有司 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (50636371)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 競泳 / クロール / 重心速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、競泳の指導・競技現場で利用可能な1ストローク中の経時的な速度変化における科学的側面からの基盤構築を目的とし、以下の3点を解明することとした。1)水中カメラ18台、陸上カメラ8台を用いて、世界一流選手を含む多くの選手の経時的速度変化データを取得し、その評価方法を開発する。2)全身キネマティクスデータや推進力から、速度変化との関連性を明らかにする。3)水中ビデオカメラ1台で身体重心速度を高い精度で推定可能な、身体2~3部位を明らかにする。 1)と2)に関しては、世界一流泳者を多数含む50名程度(4泳法)の被験者の経時的な速度変化データを取得した。この測定においては、水中でも利用可能なモーションキャプチャーシステムを用い、全身40点のランドマーク点の位置情報を得た。現在経時的な速度変化と競技レベルの関係性ならびに、動作(kinematics)と経時的な速度変化の関係性について検討を行っている。3)に関して、10名のクロール泳を専門とする泳者を対象とした。水中モーションキャプチャーを用いて泳者の全身ランドマークの位置座標を得、重心速度を算出した。左右の大転子点の速度の平均値に上肢の速度(手の掻きのタイミングより推定を行う)を加えることで、重心速度を高い精度(最大誤差約2%)で推定する事が可能であることを明らかにした。本方法は、水中カメラ2台を用いることによって算出可能な方法であり、簡易に精度よく重心速度を推定する方法として、今後使用される方法であると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに多くの被験者のデータを取得することができ、重心速度推定方法の開発も行うことができた。計画通りに研究が進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、多くのデータを取得しデータの蓄積を行い、競泳の指導・競技現場で利用可能な1ストローク中の経時的な速度変化における科学的側面からの基盤構築を行っていく。 Kinematicsデータだけでなく、kineticsデータの取得も行う。
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Causes of Carryover |
手部で発生した推進力を測定する為に必要な圧力センサーとデータロガ-が予定より高額であったため、カメラ設置固定具を購入予定であったが、水中に既存の三脚を沈めることによって対応を行い、予算を次年度使用とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
手部で発生した推進力を測定する為に、圧力センサーならびに水中用防水データロガ-が必要であり、購入予算に充てる。
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Research Products
(1 results)