2014 Fiscal Year Research-status Report
新規計測機器を用いた、反動動作による運動パフォーマンス向上メカニズムの解明
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26750313
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
福谷 充輝 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員 (80722644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 腱 / 反動動作 / 伸張反射 / 弾性エネルギー / タイチン / 予備緊張 |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツパフォーマンスは、反動動作を用いることによって増強する (反動効果)。したがって、反動効果が生じるメカニズムを明らかにすることは、スポーツ科学において重要な研究テーマである。そこで、本研究では、反動効果のメカニズムとして考えられている各要因を個別に抽出することで、どの要因が本当に反動効果に貢献しているのか、さらには、各要因の効果の程度を明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために、新規に計測システムを作成し、ラットの摘出筋 (ヒラメ筋) を対象に実験を行った。反動効果のメカニズムとしては、伸張反射、腱の弾性エネルギー、予備緊張、residual force enhancementの4つが挙げられている。この内、伸張反射の影響を除外するために、本研究は筋収縮を全て電気刺激で誘発し、人工的に筋収縮レベルを一定にした。加えて、腱の弾性エネルギーの影響を明らかにするため、腱を有する条件、および腱を有さない条件で反動効果を算出し、腱が反動効果に与える影響を検証した。その結果、腱を有さない条件であっても、腱を有する条件と同程度の反動効果が得られた。この結果は、腱が反動効果に貢献していないことを示しており、反動効果は、残りの2つの要因、すなわち予備緊張とresidual force enhancementによって生じていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、新規に筋力計を作成し、これまでは経験のなかった動物実験を学ぶ必要があったため、実験準備に多くの時間がかかることを想定していた。幸い、上記2つがスムーズに進んだため、早期に実験を開始することができ、興味深い実験データを得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、反動効果の主要なメカニズムとして考えられている、腱の伸び縮みによる弾性エネルギーの蓄積・開放の影響は、非常に小さいという結果を得た。それでは、反動効果は何によって生じているのか、という疑問が生じる。そこで、申請者の研究結果に基づき、反動効果の原因として考えられる残り2つの要因、すなわち予備緊張とresidual force enhancementに焦点を当て、これらいずれかの影響を意図的に増大させる状況を作り、反動効果の程度を比較することで、反動効果への貢献の程度を検証する。
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Causes of Carryover |
筋力計の作成に関し、既存の機材で対応できる部品があったため、支出が減少した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
部分的に既存の機材で対応したため、初期費用は安くなったが、追加の改造費用が必要になった。そこで、繰越金の多くは、この機材改造費用に充当する予定である。
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Research Products
(7 results)