2015 Fiscal Year Annual Research Report
癌組織中レクチンの糖鎖特異性を直接同定する手法の開発
Project/Area Number |
26750364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
下山 敦史 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90625055)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リピドA / リポ多糖 / 自然免疫 / 免疫制御 / 共生菌 / TLR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖質分子は、細胞表層受容体を介し、細胞間の情報伝達や免疫、感染症など生体内における様々な認識に関わり、がんや炎症など様々な疾患に関連する。また、近年、糖質分子が糖タンパク質の体内動態を制御することが明らかになりつつある。本研究では、糖質分子とそれらの認識受容体との相互作用を利用することで、特定の臓器やがん組織、炎症部位へのターゲティングが可能となると考え、糖質分子プローブを用いた細胞の特異的認識システムの構築を目指している。 細菌細胞表層由来の自然免疫活性化因子としてリポ多糖が知られているが、近年、その受容体であるTLR4が、大腸がん、乳がん、胃がんなどへ強発現していることが報告されている。よってリガンドであるリポ多糖もしくはその活性中心であるリピドAを用いることで、がん組織集積能を有しつつ、自然免疫制御が可能な分子を見出せると考えている。しかしながら、大腸菌型に代表される多くのリポ多糖、リピドAは毒性が強くターゲティング分子として利用することは難しい。そこで、宿主の細胞内に共生しているような特殊な細菌ならば、致死毒性を有するリポ多糖は持ち得ず、人体に無毒なリポ多糖、リピドAを有するのではないかと考え、細胞内共生菌由来のリポ多糖の構造・機能解析研究を展開した。 具体的には、細胞内共生菌よりリポ多糖成分を抽出した後、サイズ排除クロマトグラフィー等を用いて単離精製し、質量分析やNMRを用いて、リポ多糖、リピドAの化学構造の決定を行った。現在、機能解明を行いつつ、全合成研究を進めている。
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Research Products
(25 results)
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[Presentation] Characterization of LPS/lipid A from Alcaligenes sp.2015
Author(s)
K. Mizote, A. Shimoyama, N. Shibata, F. D. Lorenzo, Y. Fujimoto, A. Molinaro, J. Kunisawa, H. Kiyono, K. Fukase
Organizer
7th Asian Community of Glycoscience and Glycotechnology (ACGG)
Place of Presentation
Hotel Taikanso, Matsushima, Miyagi
Year and Date
2015-11-12 – 2015-11-15
Int'l Joint Research
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