2015 Fiscal Year Annual Research Report
ワーキングメモリ容量が第二言語フィラーギャップ文処理過程に与える影響
Project/Area Number |
26770197
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
中西 弘 東北学院大学, 文学部, 准教授 (10582918)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ワーキングメモリ / リーディングスパンテスト / フィラーギャップ文 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィラーギャップ(Filler-gap:FG)文(例:Which book did you read in the library?)を理解するには、少なくともフィラー情報(例:Which book)をギャップ位置(例:read)までワーキングメモリ(Working Memory: WM)上に保持しなければならず、WM容量の個人差により文理解の成否が特に左右される文構造と考えられる。本研究では、フィラー・ギャップ間の距離を操作することでFG文理解にどのような影響がみられるのかを調査した。 日本人英語学習者38名を対象に、WM容量を測定する課題であるリーディングスパンテスト(Reading Span Test :RST)とFG文課題をともにSuperLabPro5.0が搭載されたコンピュータ上で行われた。 RSTは、前年度の科研研究で作成した高親密度(文法性判断課題)版のものを使用した。 FG文課題は、コンピュータ上に1語ずつFG文(例:Which gun(*city) did the man carry late last night?)が呈示された。実験参加者は、呈示された語を理解する毎にJキーを押し、意味が通らない箇所でFキーを押すように指示された。刺激文は、上記の短距離条件の他、長距離条件Which gun (city) did the man who was wearing a new tie carry late last night? が実施された。 実験参加者全体の傾向として、ギャップ位置で読み時間が増大すること、短距離条件よりも長距離条件で増大することが確認された。またWM容量別分析では、WM小群は、長距離条件のギャップ位置で読み時間がWM大群よりも長い傾向が見られた。
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