2014 Fiscal Year Research-status Report
東西ドイツにおける空襲記憶の形成(1945~1975年)
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26770262
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
柳原 伸洋 東海大学, 文学部, 講師 (00631847)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 現代史 / 空襲 / 冷戦 / 教会 / 戦災 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にあたる2014年度は、戦後直後のドイツの状況と空襲慰霊の関係についての調査・研究を行った。具体的には、①基本文献の購入、②研究上必要不可欠な機械類の購入、③ドイツへの研究調査滞在、そして研究成果の一部についての④研究報告に分けられる。以下、それぞれの項目について報告したい。 ①基本文献としては、戦時下の空襲に関する書籍や、戦後ドイツの都市復興の過程を追ったものを購入した。②機械類では書籍や資料を持ち運び、読むための電子書籍デバイスを購入した。③ドイツへの研究調査では、ベルリンの国立文書館および図書館を中心に、戦後の雑誌資料を通読・収集した。具体的には、戦後ドイツの都市復興と慰霊祭に関する都市内のやりとりに関する文書などである。 このように、初年度は、1945年から1960年代までの戦後東西ドイツ史についての知見を深めつつ、そのなかで空襲犠牲がどのような意味をもったのかを考察した。とくに④に関しては、これから得られた成果を、戦後ドイツの教会と慰霊の関係としてまとめ、1月21日に東海大学文学部で開催されたシンポジウムにて、「怒りから「和解」へ? -ドイツの戦災教会研究に向けて-」と題した成果報告を行った。この成果も文章化する予定である。 これらの成果は、今まで注目された来なかった戦災(空襲)と、戦後ドイツ社会の成り立ちに関するものであった。来年度以降も発展と深化させるために、研究調査を進めるつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1945年から1960年までの状況を、教会と慰霊について的を絞って明らかにした。ただし、課題としては市民運動の動きと連動させる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は予定通り、1960年代の研究そして1970年代の研究へと進めていく。ただし、このまま教会と慰霊行事の関係性だけではなく、市民運動や反戦運動、そして学生運動と空襲慰霊の関係性について考究していく必要があるだろう。
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Causes of Carryover |
年度末に、一部の書籍が購入不可能になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究文献の購入に充てる。
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Research Products
(1 results)