2016 Fiscal Year Research-status Report
東西ドイツにおける空襲記憶の形成(1945~1975年)
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26770262
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
柳原 伸洋 東海大学, 文学部, 講師 (00631847)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ドイツ現代史 / 空襲 / 戦後史 / 記憶研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、運営委員を務める戦争社会学研究会・大会(4月24日、埼玉大学)にて、「『空襲の記憶』の境界 ―時間・空間・学問を越境して―」というテーマセッションを企画し、当日は司会進行に従事した。この成果は、2017年4月に研究会誌『戦争社会学研究会』(第一巻、勉誠出版)において文章化し、研究者や一般読者に向けて空襲記憶研究の成果と新展開について知ってもらう機会となった。 また、空襲被災者運動研究会(6月12日、日本大学)において本科研費での調査報告(2015年2~3月、2016年2~3月に実施した分)として、「空襲記憶とドイツの都市 プフォルツハイムの事例」を報告した。また、調査報告書として「戦後社会の『平和の風景』を探る ドイツ・プフォルツハイム市での実地調査をもとに」『東海大学紀要 文学部』(105号)を発表した。これは2月23日の空襲慰霊の現状リポートであるとともに、市立公文書館を中心に蒐集した資料の分析を含めた報告である。 ほかにも石田勇治・福永美和子編『想起の文化とグローバル市民社会』(勉誠出版、2016年)において、「ドレスデン空襲の公的記憶の変遷と拡がり ーコヴェントリーとの関係を中心」を掲載した。先述のプフォルツハイムが西ドイツの事例で、本成果が東ドイツの戦後空襲記憶の研究成果にあたる。 フィールドワークでは、2017年3月にドイツ・ヴュルツブルク市の空襲慰霊祭の調査を行った。本成果も近々、報告および文章化する予定である。 日本との参照比較の観点から、2016年8月から「空襲・戦災を記録する会 全国連絡会議」の運営幹事に就任した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、東西ドイツに目を配りながら研究報告と論文を発表した充実した年度となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、東西ドイツの空襲記憶の成果を比較検討しつつ、いくつかの論点に分割して、両者を貫く分析を実施したい。また、研究会報告も2017年5月、7月、8月にすでに予定されている。
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Causes of Carryover |
購入した物品(パソコン)が想定より安価な金額で購入できたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に計画しているドイツでの実地調査等の費用にあわせて使用する。
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Research Products
(4 results)