2017 Fiscal Year Annual Research Report
Collective Memories of Bombing War in BRD and DDR (1945-1975)
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26770262
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
柳原 伸洋 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00631847)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 空襲 / ドイツ現代史 / 記憶文化研究 / 戦後ドイツ / 慰霊・追悼 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度の平成29年度は、2017年4月に戦争社会学研究会の研究会誌『戦争社会学研究会』(第一巻、勉誠出版)において、2016年度の大会セッションの趣旨文「企画の趣旨 そしてそれをさらに「越える」ために(「空襲の記憶」の境界 時間・空間・学問を越境して)」が公刊された。 また、本研究費の3年分の成果として、5月に「『終わらない』空襲の世紀を考える ―ドイツと日本を中心に―」(東京女子大学・デモクラシー研究会)で研究者及び一般向けに講演を行った。 実地調査の成果は、「ドイツ・ヴュルツブルクの空襲慰霊祭 ―2017年3月の調査結果報告―」を、第47回の空襲・戦災を記録する会・全国連絡会議で発表した。学術的な成果報告及び論文公刊は、これからの作業課題となる。 最終年度のフィールドワークでは、2018年2月にドイツ・ミュンヘンとプフォルツハイムの慰霊祭の調査を行った。プフォルツハイム空襲の慰霊祭の市長演説は、毎年、その時の社会情勢を背景として変化していることが分かった。とくに、移民・難民についての言及が慰霊祭でなされていくようになった点は着目すべきであろう。 4年間の本科研費の調査では、東西ドイツの戦後空襲記憶の形成プロセスと現代における慰霊の変化とのコントラストが明らかになった。収集した史料の整理・読解など、課題はまだ山積しているが、それらをもとに戦後ドイツ(初期)の空襲認識のあり方を明らかにする研究として、今後も報告・公刊を重ねていく。具体的には、学会報告(日本あるいはドイツ)を計画している。さらには、書籍出版の計画も進んでおり、そこで成果を世に問うことになる。
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Research Products
(2 results)