2015 Fiscal Year Research-status Report
戦時戦後史における日本と沖縄の関係の再検討―引揚・復員、占領コスト、文化邂逅
Project/Area Number |
26780087
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
コンペル ラドミール 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (90528431)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 政治学 / 日本政治史 / 政・軍関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本と沖縄の関係について、引揚・復員、占領コスト及び文化邂逅という三つの側面に注目し、日本の戦時戦後史を政治史および比較史的な視点から分析を進めている。 2015年度は、海外調査および国内調査を実施した。海外調査は、日本国内で収集されていない資料を中心に、米国立公文書館で行った。国内資料は、国会図書館の文献を中心に調べた。沖縄における研究調査としては沖縄県立公文書館、沖縄県立図書館、琉球大学図書館で文献資料を調べ、4名の関係者へ聞き取り調査を行った。 成果は:(1) 西南学院大学で4月18日に開催された九州歴史科学研究会4月例会で「戦後初期の統治機構改革と引揚げ政策」と題する報告、(2) 9月21日に青山学院大学で開催されたマッカーサー・ノート研究会で「戦後初期の米国の動員解除と日本統治機構の改革」と題する報告、(3) さらに早稲田大学で12月25日に開催された第99回20世紀メディア研究会で「占領軍の情報は政策にどのようにいかされたのか」と題する報告である。また、(4) 学術論文としては2016年3月刊行の『横浜法学』第24巻第2・3号において「もう一つの戦後計画」と題する論文を執筆した。 海外調査で予定していた資料以外に新規の資料が明らかになったので、米国公文書館で資料収集を継続する必要があることが判明した。そのため、初年度に引き続き研究費を節約し、基金の自動繰越し制度を活用して1割程度の研究費を次年度に繰り越すかたちで調整した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究調査において未収集資料の存在が判明し、これからはさらなる研究の高度化に活用できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進としては基礎資料や文献の収集に努める。海外においては、主に米国立公文書館の資料収集を継続する予定である。また国内としては、沖縄における資料調査および関係者への聞き取り調査を引き続き実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
海外調査で未収集資料の存在が明らかになり、これからの計画として資料収集を継続する必要があることが分かった。そのため、27年度の研究費の使用を節約したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度から繰り越された10万円弱の研究費を海外調査の旅費及び資料収集の物品費に充当する予定である。
|
Research Products
(4 results)