2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26780175
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Research Institution | Kumamoto Gakuen University |
Principal Investigator |
小葉 武史 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (00346280)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 有期雇用 / 無期雇用 / 雇用保護規制 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、研究期間を通じて、有期雇用比率が、無期雇用に対する雇用保護規制には反応するが、有期雇用に対する雇用保護規制には反応しないという、観察された「非対称な代替効果」について、それを生み出す理論モデルの構築と関連する実証研究を行った。 平成26年度は、研究の初年度として、理論モデルの構築を行った。この年度の初めに研究代表者には所属する研究機関が変わる異動があり、研究機関によって利用可能なミクロデータが異なるため、当初計画よりも実証研究を遅らせる代わりに、理論研究を先行して進めるという計画の調整を行った。理論研究では、当初研究計画通り、CES型生産関数に第三の生産要素を導入するという方法で、観察された「非対称な代替効果」を生み出す理論モデルを構築することに成功した。また、労働需要側だけでなく供給側を含めた市場均衡モデルを構築して、厚生分析へと議論を発展させた。これらの研究成果は、国内外の学会・研究会(九州大学・韓国全南大学)で報告されるとともに、論文としてまとめられ、論文は学術誌(国民経済雑誌)に掲載された。 平成27年度は、研究の最終年度として、研究代表者の異動によるデータの入手可能性の変化から遅延していた実証研究を集中して進めることにした。大学院生によるデータ整理の補助を受け、研究代表者が現在所属する研究機関で利用可能な企業レベルのミクロデータであるeolデータと、東洋経済CSRデータを企業毎にマッチングさせたデータベースを構築した。また、このデータベースを用いて、リーマンショック前後における雇用調整量を各企業の性質に回帰させることにより、ショックに対する雇用調整がいかなる要因の影響を受けるのか、雇用量はいかなる他の生産要素によって代替されたのかを明らかにした。実証研究の成果については未だ雑誌掲載等には至っていないが、速やかに公表の準備を進めている。
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Research Products
(1 results)