2017 Fiscal Year Annual Research Report
The stock market reactions to announcements of new director appointments
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26780192
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 孝憲 関西大学, 商学部, 准教授 (50587285)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 女性役員 / 外国人役員 / コーポレートガバナンス / 株式市場 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間を延長し、外国人役員就任に対する株式市場の反応に関する研究を行った。残念ながら、昨年度同様分析に必要なサンプルを十分に集めることができなかった。これは、外国人が役員として就任している企業が少ないうえ、イベント・スタディを行うのに適さないサンプルが多いことが挙げられる。例えば、外国人役員就任と同時に日本人役員が就任した場合、あるいは外国人役員就任と同時に日本人役員が役員を退職した場合は分析に必要なサンプルにはなりえない。なぜなら、この場合の株価の変化は日本人役員の就任・退職の影響が反映されている可能性があるからである。そのため、このような外国人役員就任のサンプルでは分析を行うことはできない。将来外国人役員がもっと増えた場合、この研究テーマを再度試みたいと考えている 一方、これまでに行った女性役員就任に対する株式市場の反応の分析を拡張し、日本企業の日本人女性役員に関する論文を完成させた。分析の結果、以下のようなことがわかった。 1) 安倍政権が「女性の活躍」を政策目標の1つに掲げて以来、女性役員の数は増えている。特に、女性の社外取締役の数が2015年度から急激に増加している。しかし、経営者としての女性役員の数はそれほど増えていない。 2) 経営者としての女性役員は、規模が小さく、比較的若く、経営者の持株比率が高い企業に着任する傾向がある。一方、女性社外取締役は、規模が大きく、外国人投資家の持株が高く、役員の平均年齢が若く、事業活動による成長性が低い企業に着任する傾向がある。 3) 女性役員と企業業績との関係を分析した結果、女性社外取締役が多い企業は企業の価値が高い。しかし、経営者である女性役員にはこの因果関係がみられない。 4) 女性社外取締役が新規に役員になることが公に発表された後、当該企業の株価が上昇する。
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