2014 Fiscal Year Research-status Report
モバイル産業におけるプラットフォームの変遷とプラットフォームフォロワーの適応行動
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26780217
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
工藤 秀雄 東京理科大学, 経営学部, 講師 (10579767)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 製品プラットフォーム / プラットフォーム・フォロワー / 製品満足度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「モバイル産業におけるプラットフォームの変遷とプラットフォーム・フォロワーの適応行動」の探求にあった。そこで本研究は、調査としてプラットフォームの変遷とフォロワー企業を次のように位置づけた。 まず、変遷するプラットフォームはi-mode等のフィーチャーフォン・プラットフォームから、Android・iOS等のスマートフォン・プラットフォームへの移行に焦点を当て、フォロワー企業はそれらプラットフォーム上の端末メーカーとした。 本研究では、プラットフォームの変遷に伴うフォロワー企業のパフォーマンスとして、端末製品のユーザー満足度に着目した。端末の製品満足度では、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラムの協力を経て、スマートフォン製品のユーザー満足度のサンプル666標本を得た。 本サンプルを通じて、統計的な実証分析を行った結果、プラットフォームの変遷期において、新旧双方のプラットフォームに関わる端末製品の開発に資源を分散させた企業の製品パフォーマンスが低く、新プラットフォームに重点を置いた企業の製品パフォーマンスが高い結果が得られた。具体的な研究業績に関しては【現在までの達成度】の項で述べる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を探求しうる実証データの獲得、その分析と研究業績(学術論文)のアウトプットから、本研究は順調に進展していると判断する。その根拠として、本研究に関係する2015年5月現在までの成果があげられる。その成果は、査読論文2本(日本情報経営学会・経営戦略学会/印刷中)、学会誌特集号・寄稿論文1本(日本情報経営学会/印刷中)、学会報告(日本情報経営学会)として、具体的に提示される。
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Strategy for Future Research Activity |
「モバイル産業におけるプラットフォームの変遷とプラットフォーム・フォロワーの適応行動」について、2014年度はフォロワー企業である端末メーカーの製品満足度に関して、大量サンプルによる統計的な調査・考察を行った。一方、プラットフォーム変遷期における端末メーカーの行動について、より多くの変数を扱った実態調査が推進されていないため、ケーススタディ等の研究手法を伴った実態調査を行う計画である。
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Causes of Carryover |
本研究は社会・経済的な現象面で未だ明らかになっていない点が多く、大規模かつ多額の資金を要する社会調査を必要とするため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
モバイル端末ユーザー、コンテンツ・アプリケーション・ユーザーを対象とした質問票調査、端末メーカーやコンテンツ・ベンダーを対象とした実体調査(ケーススタディ)を実施する計画である。
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