2016 Fiscal Year Research-status Report
現代米国における学校管理職養成・評価システムの変容に関する研究
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26780449
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
柴田 聡史 琉球大学, 地域連携推進機構 生涯学習推進部門, 講師 (40721882)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学校管理職養成 / 「頂点への競争」プログラム / どの子も置き去りにしない法(NCLB法) / アカウンタビリティ / 学校管理職評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、米国における学校管理職像の変容とそれに伴う養成・評価システムの変動を、学力テストと厳格なアカウンタビリティに基づく連邦主導の改革の展開において明らかにすることである。具体的には、ブッシュ政権下の「どの子も置き去りにしない法」(NCLB法)、およびオバマ政権下の「頂点への競争(Race to the Top)」(RTTT)政策を契機として、学校管理職の評価システムの構築が進められる中で、管理職の「資質」がどのように設定され、各州の施策としていかなる改革動向が示されているかを分析し、学校管理職の養成や評価をめぐる制度改革の構造とその特質を解明することを本研究の課題としている。 本研究の3年目にあたる今年度は、昨年度に引き続き連邦政策及び全米レベルの関係機関における議論の分析を行うとともに、各州における制度改革の検討を行った。具体的には、2000年代以降の連邦政策関連の資料、専門職団体の資料の収集・分析、マサチューセッツ州における評価制度改革の分析が中心的な作業となった。全米初等学校長協会(NAESP)と全米中高学校長協会(NASSP)では、評価制度のあり方と関連して、専門職団体の立場から管理職の今後の資質や役割について方向性が提示されている。マサチューセッツ州では2011年に新たな評価制度が導入され、そこでは児童生徒の学力達成に対する影響度を観点とする評価がなされ、また評価結果に基づいた職能成長計画の遂行が求められていることが明らかとなった。これら各州の制度改革の状況について次年度も引き続き分析し、全米レベルの議論との関連において検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に実施した連邦レベルおよび州レベルでの政策展開の検討については、入手可能な資料に基づき、概ね計画どおりに進行している。予定していた追加調査の実施が遅延したことに伴い、年度当初の計画から遅れが生じているが、最終年度のスケジュールの修正により解消される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、予定している調査を実施し、進捗の遅れについて修正を図る。また、当初計画にしたがって、これまで入手した資料等にもとづき、各州の政策動向の把握・分析を進める。連邦レベルの政策動向の分析を踏まえて、各州の管理職評価制度の改革動向と制度の特質について検討する。それら研究成果について、関連学会等での発表につとめる。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、予定していた調査および学会参加の延期とそれに伴う研究の進捗の遅れによるものであり、当該金額は主としてその旅費に相当するものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査旅費に相当する次年度使用額については、予定の調査の実施および学会への参加によって使用する見込みである。また、関連する資料や書籍その他物品費として、当初計画に基づいて執行予定である。
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