2015 Fiscal Year Research-status Report
地域をフィールドとした市民性の育成に関する基礎的研究
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26780508
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
本多 千明 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (20454697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シティズンシップ / 教科書 / 社会科 / 市民 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
日本における市民性教育の実践を検証し、市民性(シティズンシップ)の涵養を目指した社会参加学習についての考察を行った。小学校学習指導要領社会科の目標は、「社会生活についての理解を図り、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を育て、国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。」と規程されている。より良い社会を創造するために、どのような市民を育成すると良いのかについて、教育現場における実地調査や資料の収集を行った。 平成27年度は、勤務先における引率者として、アメリカの小学校を訪問する機会を得た。実際に訪問した小学校で活用していた教科書や教材を入手し、アメリカではどのように市民を育成するのか、検討することが出来た。日本の小学校社会科では、様々な活動を通して「読解力」を高めることも目指されている。 アメリカの小学校では『Reading』のテキストが、社会科教科書に代わる教科書として活用されており、社会科の内容に相当する学習を垣間見ることができた。例えば、アメリカの独立戦争に関係する物語や、歴代の大統領に関する記載があり、どのような内容が取り上げられているのか教科書の内容を検討することにより、読解力を高めることを目的とした授業の目標や学習内容について分析することができる。引き続き、実地調査や授業実践等の分析を通じて、市民性の育成に関する仮説を呈示し、その妥当性を論証することが課題として挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校社会科の教師用指導書やアメリカで活用されていた教科書を入手することができ、市民的資質を如何に育成すると良いのかについて、検討することができた。また、いくつかの授業実践や実践活動などの参与観察を行うことにより、市民性教育の在り方についての考察を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
入手した教科書会社以外の教科書を購入し、出版社が異なるとどのように教科書に記載されている学習内容が異なるのかを検討することや、小学校教育だけではなく、中・高等学校における教科書の収集や分析を行うことや、新刊図書を購入することが、今後の研究活動を進めるために必要である。さらに、様々な地域における実践の実地調査や、分析した結果を学会などで発表することが今後の課題として挙げられる。
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Research Products
(3 results)