2014 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖および糖誘導体を認識する高感度細胞検出センサの開発
Project/Area Number |
26790024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加治佐 平 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (00643123)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電界効果トランジスタ / フェニルボロン酸 / 糖鎖 / サッカライド / 分子認識ゲル |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞表面に存在する糖鎖および細胞内外に存在するATPを高感度かつラベルフリーに検出することで,細胞検出センサの構築を目指した.そのために界効果トランジスタ(FET)を用いて,多様な構造の糖および糖誘導体を検出する実験を行った.最初にフェニルボロン酸自己組織化単分子膜をゲート電極近傍に形成させたサッカライドFETセンサによって,グルコースだけでなく他の単糖,二糖を検出感度数uMにおいて検出することに成功し,かつ糖の構造の差異による親和性の差異についてプロファイリングを行った.この成果は論文誌およびそのバックカバーにおいて掲載された(DOI: 10.1002/celc.201402305,DOI: 10.1002/celc.201402193).次にサッカライドFETセンサに糖基質特異性を付与するために,ゲート電極上にフェニルボロン酸分子を含む分子認識ゲルを配することで感度は維持しつつ,目的の糖のみを選択的に検出することに成功した.さらにATPを鋳型とする分子認識ゲルFETセンサを用いてグルコースやリボースには反応せず,AMPやATPにのみ電気的に検出することに成功したことから,細胞検出センサの開発への可能性が示唆された.また,糖の選択性を向上させるために,分子認識ゲルの組成を工夫することで最適化を行った.本検討は論文執筆中であり,2015年度に投稿予定である.最後に,サブuMオーダーの糖の検出を目指してFETゲート電極界面の構造を金ナノ粒子および構造を付与する検討を行った結果,ゲート表面における電荷密度の向上による数uMからの検出感度を達成することに成功した.以上の結果から,細胞表面に存在する細胞に特異的な糖鎖のみを高感度に検出できる可能性が示唆され,ガン細胞の微量検出など今後の実用展開が期待された.
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Research Products
(6 results)