2014 Fiscal Year Research-status Report
製鉄排出エネルギーを有効利用するふく射波長変換/発電システムの開発
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26820068
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
熊野 智之 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80435437)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 希土類酸化物膜 / 炭素材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度は、本研究が提案するシステムにおける波長変換部について、基板となるC/Cコンポジット材の特性および希土類酸化物膜のコーティング条件を明らかにすることを目的に以下の研究を実施した。①C/Cコンポジット材の特性調査:C/Cコンポジット材には種々様々なものがあるため、メーカーとの打ち合わせやサンプルについての特性試験を行うことで、どの材料が本システムに適しているかを調査した。その結果、一般的なC/Cコンポジット材は、熱伝導性および表面状態の観点から、そのまま本システムへ応用可能なものがほとんどないことが明らかとなった。②希土類酸化物膜コーティング試験:C/Cコンポジット材について、アルミナ基板時と同じ焼成条件でEr酸化物膜のコーティングを行い、膜の様子について調べた。その結果、表面処理のないC/Cコンポジット材では、高温での酸化焼成過程において炭素が酸素と反応し、固体としての形が維持できないことが明らかとなった。以上の理由から、C/Cコンポジット材の代替として、SiC基板を使用することを想定し、システム設計の変更を検討した。③SiC基板に対する膜の付着性調査:SiC基板上にEr酸化物膜をコーティングし、膜の均一性や付着性について調べた。その結果、アルミナ基板時と同じ焼成温度条件では、均一に膜が付着しないことが明らかとなった。この問題を解決するために、焼成温度を従来の1230℃から高めることや、プラズマや紫外線による基板の表面処理を検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C/Cコンポジット材を実際に扱ってみた結果、製鉄所での実用化を目指す本システムとのマッチングに問題があることが判明し、その代替としてSiCなどの材料を改めて検討することになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
C/Cコンポジット材の代替として、SiCを基板として用いることを検討する。SiCについては、従来の方法では希土類酸化物膜を均一にコーティングすることができないが、焼成温度の変更ならびにプラズマや紫外線を用いた表面改質によって問題を解決できると考えている。研究の推進方策については、近隣の大学などと連携し、試料の分析を効率よく行っていくことを考えている。
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Causes of Carryover |
本研究で用いる基板材料について、当初のC/Cコンポジット材からSiCなどの他材料へ変更する必要性が生じるなど、研究が予定通りに進まない部分があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主として、基板材料を確定させるための研究に必要な物品購入と、放射率測定に不可欠な黒体炉購入に充てる予定である。
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