2014 Fiscal Year Research-status Report
非接触ローラ形搬送装置の磁気力補償による高速高精度位置決め制御
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26820077
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Research Institution | Toyota National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 淑晴 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (70455137)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 位置決め / 磁気歯車 |
Outline of Annual Research Achievements |
ローラ形の搬送装置を対象とした本研究において,従来のウォームギアなどを用いた接触を有する伝達機構に替わり,磁気歯車を用いた非接触式の搬送装置について,高速かつ高精度な位置決めを達成することを目的とする.現在までのところ,6個の磁気歯車を用いて寸法が約425×253×115mmの実験装置を設計,製作した.磁気力の大きさに影響を及ぼす磁気歯車間のギャップは0.5mmとしている.今後の研究において磁気力や位置決め精度などの評価には,モータが生じるトルク,モータの回転角度,磁気歯車の取り付け軸の回転角度,ローラ上の搬送物体の直線移動距離などを使用する.搬送物体の直線移動距離を測定するためのレーザ変位計の取り付け治具は,現在製作中である.モータの定格トルクに対して25%の一定のトルク,定格トルクの20%かつ1Hzの正弦波トルク,定格トルクの20%のステップ波形トルクによる回転をオープンループ制御によって行ったところ,次の結果を得た.一定トルク付与実験では,モータの回転角と磁気歯車の後の回転角の差はPeakToPeakで6°と非常に大きく,磁気歯車間に生じる磁気力による影響のほかにエンコーダの取付精度の影響などを調査中である.正弦波トルク付与実験では,動作開始時にモータトルクとエンコーダにて測定された速度との間に約90ms程度の応答遅れが生じており,今後本研究の補償対象となる.また,ステップ波形トルク付与実験でも同様にモータトルクとエンコーダによる測定結果に応答遅れが確認できた.これらの特性が磁気歯車の磁力によって生じているものと考え,今後研究を進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高速高精度位置決めを目的とするマグネット歯車を用いたローラ形搬送装置の設計,製作ともに順調に進み,動作確認と初期実験は終了した.磁気力が位置決めへ及ぼす影響の解明以降が未達であり,今後の研究実施内容となる.実験装置の位置決め制御を行うためのコントローラの取り扱いに時間を要している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究内容については実施計画どおり推進する.まず,磁気力が位置決めに及ぼす具体的な影響を実験的に明らかにし,数式によるモデル化を試みる.そのモデルを補償器として位置決め制御に組み込み,高速・高精度な位置決めの達成を目指す.
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