2015 Fiscal Year Research-status Report
パラレルリンク機構の力学特性解析とマニピュレータ用新型エンドエフェクタへの応用
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26820088
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松野 隆幸 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (50377842)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パラレルリンク / エンドエフェクタ / 組立作業自動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
小型部品同士の接触を伴う組立作業をロボットで実現する,新しい機構のエンドエフェクタを開発することが本研究の目的である.人間は手先でコンプライアンス制御を実現し,精度の求められる難しい組立作業を巧みな動作でこなしている.製品の組立工場で行われている10 μmのクリアランスの部品の組み立ては,通常の人間の手先精度では不可能であるが,鋭い手先感覚を利用することにより実現している.これに対してロボットハンドはこれまでも提案されているが,重要なのは形状の類似性ではなく,機能として,高い自由度,構造的頑健性,そしてバックドライブ性を有することであると考える.そこで本研究では,デルタ型パラレルリンク機構を利用したエンドエフェクタを開発する.本論文では,上記機能を実現するエンドエフェクタの形状と運動学に関して提案する. 製作したパラレルリンク型エンドエフェクタを試験的動作したことで,リンク長がエンドエフェクタ先端で発生できる力に大きく影響することが分かった.デルタ型パラレルリンクでは一つのリンクアームセットに対して4つリンク長を決定する必要があるが,最も土台側に近いリンクL4の長さを相対的に長くすると手先で発生する力に対してモータトルクが不足する,得意姿勢が作業空間内に発生するなど様々な問題点が生まれる.一方でL4を短くすると手先部が到達可能な作業空間が小さくなり問題となり,このバランスをとることが重要である.これらの解析結果を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラレルリンク型エンドエフェクタのハードウェアを製作し,試験的な動作をおこなったことでパラレルリンクの動作特性を確認できた.特異点の存在によって動作がどのような影響を受けるかなどは数式上では解析可能であったが,実際のロボットによって特異点付近でもモータトルクに対して設計者の意図通りでない動作が発生することが確認できた.この知識をハードウェア設計に投影してリンク長を変更する. これまで経過はおおむね研究計画通りである.
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Strategy for Future Research Activity |
パラレルリンク型エンドエフェクタのハードウェアを再製作し,産業用マニピュレータと同期制御することを28年度に実現する.マニピュレータロボットの作業内容は小型部品の組み立て,コネクターケーブルの組み付けなどを予定している.
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Causes of Carryover |
小額の研究費残額を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に使用する.
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