2015 Fiscal Year Research-status Report
電力パケット伝送システムのネットワーク化に向けたシステムデザイン
Project/Area Number |
26820144
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 亮 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00455354)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 電力パケット / エネルギーマネージメントシステム / ネットワーク / 電力伝送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年提案されている電力パケット伝送システムについて、ネットワーク化等に向けたシステムデザインとその実装を目指している。 現在、これまでアナログで伝送されていた電力をパケット化してディジタル的に電力伝送を行う電力パケット伝送システムが検討されている。研究実施者は、近年の高度化されたICTや、これまでのSiパワーデバイスに比べてスイッチングロスやオン抵抗を大幅に抑えることができるSiCやGaNなどのワイドバンドギャップパワーデバイスを用いることによって、実際にプロトタイプを作成しその実現可能性の検証を進めてきた。本研究ではこのシステムのネットワーク化を目指し、課題抽出や実装、その応用の研究を進めてきた。 これまで、電力パケット伝送システムネットワークの構築を可能とするルータなどのプロトタイプを作成し、実際に電力パケットのルーティングの実現可能性の実証を進めてきた。さらに、これまでルータ等の各機器を同期させるために、機器間に別途信号線を配し同期を確立してきたが、パケットにプリアンブルを付加することにより、受け取るパケットの周波数に合わせてルータが同期を確立できる仕組みを構築した。これによって非同期電力パケット伝送システムの構築が可能となる。また、これまで各機器は外部電源によって動作させてきた。そこで、電力パケット伝送システムがマネージメントしている電力を自己の駆動電力として使用する機構の構築を行い、その実現可能性の検証を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進展している。 電力パケット伝送システムのネットワーク化に必要な要素技術を検討し、非同期システムへの可能性を開いた。また、システムを構築する各機器の駆動電力を、自身のマネージメントしている電力から得る機構の検討を新たに進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画をベースとして、システムのネットワーク化のために必要な要素として、システムの非同期化やシステムの駆動電力の調達が課題として新たに立ち上がっている。これら課題の解決方法の検討を当初の計画に合わせて適宜進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の予定より出張の回数が少なかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画に沿って使用する。
|