2014 Fiscal Year Research-status Report
小地域時系列犯罪統計に基づく「防犯まちづくり」の効果検証と評価目録の作成
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26820257
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
雨宮 護 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60601383)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 犯罪 / リスク / 防犯 / GIS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,2002年以降の期間において,わが国で生じた犯罪減少の地理的なばらつきに着目し,その理由を,防犯まちづくりの実施と内容の観点から説明するものである.これを通じ,この10年間の取り組みの「何が有効か?」を検証するとともに,得られた成果を科学的知識として実務者に届けることを最終的な目的としている. 本年度は,次年度以降の分析の基盤となるデータを作成すると共に,具体的な防犯まちづくりの実施施策のひとつとして,東京都が行なう落書き消し活動について,予備的な分析を行なった.具体的には,まず,犯罪情報のジオデータベース(GDB)を作成した.東京都全域を管轄する警視庁が保有する,町丁目別,罪種別,刑法犯認知件数のデータを入力し,GISで扱えるよう位置座標を与えた.次に,防犯まちづくりの具体的な取り組みのひとつである,東京都が行なう落書き消し事業の実施期間と実施場所についても,同様に位置情報を与えた.両者の時間的,空間的関係性をもとに,落書き消し事業が刑法犯認知件数の増減に与えた影響について分析し,罪種ごとの効果の有無について考察した.また,犯罪情報のジオデータベースとともに,東京大学空間情報科学研究センターが保有する人の流れのデータを用いて,ひったくりに対する被害リスクの可視化を行なった. 次年度以降は,本年度構築されたデータベースの基盤に上乗せするかたちで,最新年次の刑法犯認知件数と,落書き消し事業以外の防犯まちづくりの取り組み事例についてもGDBを作成し,分析を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書に記載のとおりの内容で順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的に計画書に記載の通りの内容で進めていく予定であるが,対象地域については,より犯罪データおよび防犯まちづくりに関するデータが得やすい都市部に絞り込むことを予定している.
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Causes of Carryover |
次年度初頭に海外での学会発表が予定されており,その旅費の支払い手続きが,次年度になるため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外での学会参加のための旅費として使用する
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Research Products
(7 results)