2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of recovery and long-term fixation technology of radioactive cesium using a zeolite / apatite composite
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26820308
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
渡辺 雄二郎 法政大学, 生命科学部, 准教授 (60410297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / ゼオライト / アパタイト / 焼結体 / 安定化 / 放射性ストロンチウム / パルス通電加圧焼結 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はH28年度の結果を踏まえ、緻密固化体の安定性を評価することを目的に、セシウム(Cs)及びストロンチウム(Sr)吸着モルデナイト(MOR)/水酸アパタイト(HA)複合焼結体の溶液安定性評価を行った。溶出実験は、800℃~1200℃で常圧焼成した複合焼結体及びパルス通電加圧焼結で1000℃で焼成した複合焼結体(2.0g)と0.6 M塩化ナトリウム水溶液を1~168時間接触させることで行った。800℃~1000℃の常圧焼結体は、焼成温度の増加に伴いCs溶出速度は遅くなった。Cs溶出率は800℃と900℃の常圧焼結体では、処理前と比較して高くなり、900℃で最大値を示した。また1000℃の常圧焼結体では13%まで低下した。1100℃、1200℃の常圧焼結体及び1000℃のパルス通電加圧焼結体では1%以下のCs溶出率を示した。これらの結果は800℃、900℃、1000℃ではゼオライトの一部が非晶質化し、イオン交換と溶出が起き、反応速度が遅くなったことを示している。またCs溶出率は、非晶質化が進んだ900℃で最も高くなり、SiO2や長石への再結晶化が進むにつれて低下し、1100℃、1200℃の常圧焼結体ではほとんど溶出しなかったと考えられる。さらにパルス通電加圧焼結で1000℃で得られた焼結体は、常圧焼結体と比較して緻密化が進み、Cs溶出を抑制できたと考えられる。一方Sr溶出は、HAの粒成長およびβ-TCPへの相転移が進む900℃以上でいずれの焼結体も1%以下に抑制できることが明らかになった。 以上の結果から常圧焼結体では1100℃以上、パルス通電加圧焼結では1000℃の焼結で得られた複合焼結体がCsとSrの溶出を大幅に抑制でき、CsとSrの固定化に有用であることが明らかになった。
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