2014 Fiscal Year Research-status Report
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26840077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
近藤 洋平 京都大学, 情報学研究科, 特定助教 (00724444)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 組織レオロジー / 細胞集団運動 / 時系列解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の発生では、多くの細胞が協同して組織の変形を起こし、個体の形をつくる。物体の変形は一般に、「物体に作用する力」と「物体の力学特性(例えば硬さ)」によって決まる。したがって、個体発生中の組織で起こる変形を理解し制御するためには、この2つの要素を定量化し、またそれらが分子的にどのように制御されているかを知る必要がある。近年、前者の変形を駆動する「力」について、測定・推定手法が急速に整備されつつある。一方、後者の「力学特性」の定量化についても活発な研究がなされているものの、測定方法が組織に対する圧縮や切断といった操作を必要とするため、侵襲的であるという問題がある。そこで我々は細胞組織に圧縮等の外的な操作を加えることなく、細胞集団の自発運動による変形をもとに力学特性を推定するという、非侵襲的な方法を提案した。本手法は、地球科学等のの分野で活発に研究されている、「データ同化」の方法論に基づいている。さらに、培養細胞による実験データによって本手法の評価を行った。実験系では、細胞集団運動の生物物理学的研究でよく用いられる、Madin-Darby canine kidney (MDCK)細胞が採用されいる。シート上に培養されたMDCK細胞について、細胞運動が位相差顕微鏡によって観測されると共に、細胞がゲルにかける力もトラクション・フォース・マイクロスコピーと呼ばれる方法によって測定される。このデータを用いた評価に基づいて、提案手法、特に観測過程の物理モデル、の改善を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像解析手法を適切に選択することにより、細胞の発する力と運動の時空間動態を実験データから推定することができた。このデータセットにもとづいた評価によって、提案手法の技術的詳細を概ね確定させることができ、来年度以降における実用化の目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は実データに対する適用を中心に研究を進める。特に、細胞増殖や細胞シグナル伝達といった生物学的過程が、組織の力学特性とどのように関係しているかを明らかにしたい。このために、細胞分裂阻害薬等の影響下での集団細胞運動の観測データを、本手法によって解析する。また、以上と並行して画像解析・力推定手法・細胞組織の物理モデリングの改善についても検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度において研究成果が得られたのが年度終盤であったため、成果発表が次年度へ持ち越しとなったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度から持ち越された研究成果発表計画に従い、学会参加および論文発表のために用いる。
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