2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼに由来する遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
26850208
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
堀江 真行 鹿児島大学, 共同獣医学部, 特任助教 (20725981)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 共進化 / 内在化 / ボルナウイルス / RNA依存性RNAポリメラーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、Eptesicusコウモリゲノムに内在するボルナウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼに由来する遺伝子配列(eEBLL-1)に関する解析を行った。 北海道帯広市にてE. nilssoniiを3個体捕獲し、腎臓、脾臓、肺、肝臓等、様々な臓器から培養細胞の作成を試みた。それらのうち、腎臓および脾臓から初代培養細胞の作成に成功した。さらに両細胞を継代したところ、腎臓由来細胞は少なくとも8ヶ月以上継代可能であった。樹立した腎臓由来細胞株をHAMOI-EnK細胞と名付けた。 HAMOI-EnK細胞のゲノム上のeEBLL-1の塩基配列を確認したところ、これまでの解析と同じ大きさのオープンリーディングフレームを保持することが分かった。さらにmRNA発現を確認したところ、eEBLL-1 mRNAの発現が確認された。HAMOI-EnK細胞はeEBLL-1のmRNAが確認された初めての培養細胞であり、eEBLL-1の機能解析に極めて有用なツールとなると考えられた。一方、抗eEBLL-1ペプチド抗体を作成し、ウエスタンブロット法による解析を行ったが、これまでにこの抗体ではeEBLL-1タンパク質を検出できていない。 eEBLL-1には抗ウイルス作用があると考えられたため、HAMOI-EnK細胞にRNAウイルスであるニャマニニウイルスを感染させたところ、他の細胞と同様に感受性を示した。他の種類のウイルス感染実験も行う必要があるが、eEBLL-1は抗ウイルス作用以外の働きを持つ可能性が考えられる。 さらに、HAMOI-EnK細胞のゲノムにおける、他の内在性ウイルス様配列についても検索を行った。E. fuscusのゲノムに存在する他のボルナウイルス由来遺伝子(EBL)配列やフィロウイルス由来遺伝子(EFL)配列の有無を確認したところ、一部のEBL配列はE. nilssoniiのゲノムには存在しないことが示唆された。このことからこれらの種の分岐後(1180万年前以降)にもボルナウイルス由来遺伝子の内在化が起こったことが示唆された。
|
-
-
-
-
[Journal Article] An RNA-dependent RNA polymerase gene in bat genomes derived from an ancient negative-strand RNA virus2016
Author(s)
Masayuki Horie, Yuki Kobayashi, Tomoyuki Honda, Kan Fujino, Takumi Akasaka, Claudia Kohl, Gudrun Wibbelt , Kristin Muehldorfer, Andreas Kurth, Marcel A. Mueller, Victor M. Corman, Nadine Gillich, Yoshiyuki Suzuki, Martin Schwemmle, Keizo Tomonaga
-
Journal Title
Scientific Reports
Volume: In press
Pages: In press
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
-
-
[Presentation] A putative RNA-dependent RNA polymerase gene derived from an ancient bornavirus in bats2015
Author(s)
Masayuki Horie, Yuki Kobayashi, Tomoyuki Honda, Takumi Akasaka, Nadine Gillich, Marcel A. Mueller, Victor M. Corman, Haruko Ogawa, Kunitoshi Imai, Yoshiyuki Suzuki, Martin Schwemmle, Keizo Tomonaga
Organizer
第63回日本ウイルス学会学術集会
Place of Presentation
福岡国際会議場(福岡県福岡市)
Year and Date
2015-11-22 – 2015-11-24
-
-
-