2015 Fiscal Year Research-status Report
心臓リハビリテーションによる脳由来神経栄養因子を介した心不全治療の検討
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26860574
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
高潮 征爾 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (50573599)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心不全 / 心臓リハビリテーション / バイオマーカー / うつ / 脳由来神経栄養因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は研究対象患者の選定、リクルートを行い目標症例100例に対して64症例をエントリーし、実際に心臓リハビリテーション前の抑うつ評価、筋力評価、運動耐容能評価、採血を実施した。本研究は3か月間の心臓リハビリテーションののち、再度上記評価項目を評価するプロトコールであるが3か月のリハビリテーションが継続できない、希望しない症例も多く、心臓リハビリテーション前後のデータが得られている症例は40症例程度である。継続できなかった症例に関しては「心臓リハビリテーション非施行群」として「実施群」と比較検討する予定である。 実際に心不全患者を対象とした心臓リハビリテーション前後では運動耐容能、抑うつ症状、筋力も向上、改善傾向にあった。脳由来神経栄養因子(BDNF:brain-derived neurotorophic factor)に関しても心臓リハビリテーションによって仮説の如く上昇する傾向がみられた。しかし、その傾向が心臓リハビリテーションによる効果なのか今後さらなる検証が必要である。さらに心臓リハビリテーションの強度や参加実績、リハビリテーションの内容、運動耐容能や筋力向上とBDNFの変化において相関があるのか、またどのような因子がBDNFの変化に関連しているのかについては来年度以降症例数を増やしてさらなる解析が必要であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は2016年5月18日現在64症例が登録され3か月の経過観察も終了している。またデータの入力や解析も順次行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度からは国立循環器病研究センターより熊本大学循環器内科に異動となったため、熊本大学でも本研究を遂行するための手続きを既に行っている。さらにBDNFの測定を進めていき仮説に合致した結果が得られるか検討し、学会発表や論文作成を行いたい。
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Causes of Carryover |
本年度は主に患者のリクルートを行ったため、実際に本研究で主な研究費の使い道である検体の測定のための支出がすくなかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
BDNFやIL-6などのELISAキットの購入および論文作成の際の英文校正、学会発表の際の旅費に充てたいと考えている。
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