2015 Fiscal Year Research-status Report
ヒト体細胞由来ミクログリア作製法の確立と精神疾患研究への応用
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26860933
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
扇谷 昌宏 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60636455)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト体細胞由来ミクログリア作製法の確立と精神疾患研究への応用として、平成26年度には末梢血からのミクログリア様細胞の確立に成功し、論文報告および特許の出願を行った。平成27年度は実際の患者をリクルートし、研究を開始した。 リクルートした患者から共同研究者の医師が同意説明をした上で、採血を行い、申請者がミクログリア様細胞の作成を行った。本年度はミクログリア様細胞のみで健常群と疾患群での違いについて検討を開始した。特に、種々の外部刺激に対する応答性が異なることを発見しており、大変興味深い。このような細胞レベルでの反応の測定は本技術を用いて初めて可能になるものであり、本研究の目的「これまでに明らかにできなかった精神疾患に及ぼすミクログリアの影響を検討する」に向かって順調に研究遂行ができていると考えられる。 しかし、当初計画していた皮膚からのミクログリア作成は現時点では成功していない。原因としては、由来の違い(ミクログリアは中胚葉由来、線維芽細胞は外胚葉由来)が大きいと思われる。さらに、数種類の遺伝子を導入するため、導入効率などのバラツキが認められ、細胞実験を行う際にその影響が大きいと推察された。 一方、血液由来のミクログリア様細胞は遺伝子導入を行わず、サイトカインによる化学誘導なので、導入効率などの問題も無く、ある程度均一な集団になっていることが解析結果からも得られている。よって、今後は血液由来のミクログリア様細胞を主軸に本研究を推進させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血液由来のミクログリア様細胞の作成に成功し、実際に患者をリクルートして解析を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、血液由来のミクログリア様細胞を主軸にして精神疾患患者での解析、向精神薬の影響などを明らかにしたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究を遂行する中で必要な測定機器が生じた。本年度での購入が難しかったため、来年度と合わせて購入を行いたいと思い、基金化システムを使用した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施に必要な測定機器の購入を行う予定である。
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Research Products
(2 results)