2014 Fiscal Year Research-status Report
嗅神経再生促進のための抗炎症治療戦略のタイムリミットの解明
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26861369
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
北野 雅子 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378334)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 鼻科学 / 嗅覚 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は嗅神経再生の組織学的検討を行った。 実験動物として、組織学的に嗅神経を容易に視覚的に確認可能な遺伝子組み換えマウスであるOMP-tau-lacZマウスを用いた。マウスにペントバルビタールを腹腔内注射して全身麻酔し、固定器で固定した。前頭開頭を行い、嗅球と篩板を露出させて、ステンレスカッターを一側の篩板と嗅球との間に挿入して嗅神経を切断した。対側はコントロールとして神経切断を行わずにおいておいた。止血後、閉頭し、動物を覚醒させた。 手術後7、14、28、42日経過してから、ステロイド薬であるデキサメサゾンを腹腔内注射した。低用量、高用量の2種類の投与群とコントロールとして生食投与群の3群を設けた。 デキサメサゾン投与開始後5日目、14日目、42日目、70日目に、それぞれマウスをパラホルムアルデヒドで還流固定し、頭部骨をEDTAで脱灰後、組織切片を作成し、各種染色を行い、CCDカメラでデジタル画像化し、嗅神経の再生、グリア瘢痕形成、マクロファージの局所浸潤などの程度を定量化して測定した。なお、嗅神経の確認にはX-Gal染色にて嗅神経と嗅球の糸球体を可視化した。グリア瘢痕と組織全体の確認にはニュートラルレッド染色を用いた。またグリア瘢痕内の活性化星状膠細胞の確認には抗GFAP抗体を用いた免疫染色を行った。マクロファージの確認にはマクロファージ特異的な抗CD68抗体で免疫染色を行い、確認した。 以上の結果、嗅神経切断後の局所炎症の抑制、グリア瘢痕形成の抑制、嗅神経再生の促進は、手術後7日経過してからステロイドを投与した群では良好であったが、14、28、42日経過してから投与した群では、その効果が認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究を遂行できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度も当初の計画通りに実験研究を遂行する。
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Causes of Carryover |
わずかな端数計算が合わなかったため。しかし、当該年度使用予定額のほとんどすべてを使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の予定通りの研究遂行に必要な経費として使用する。
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