2014 Fiscal Year Research-status Report
TNF-αのリプログラミング効果を応用した新規覆髄剤の開発
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26861640
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上枝 麻友 徳島大学, 大学病院, 助教 (20625719)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TN F-α / 歯髄細胞 / 幹細胞化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が発見した歯髄細胞に対するTNF-αのリプログラミング効果(幹細胞化)の作用メカニズムを解明し、歯髄細胞のリプログラミングに関与している因子を同定することを目的に実験を行った。 まず、徳島大学にて実験を開始するために、研究環境の整備を中心に行った。 研究に関しては徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得た。実験に同意の得られた患者から提供を受けた抜去歯牙の歯髄から、Gronthosらの方法に準じて歯髄細胞の分離・培養を行った。得られた歯髄細胞がこれまでと同様に培養できること、TNF-α(10ng/ml)による刺激を加えても培養などに問題がないことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は研究環境の整備や、実験に使用する歯髄細胞の採取・培養・保存に時間を費やした。 1)細胞の分離・培養:研究に関して徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得た。実験に同意の得られた患者から提供を受けた抜去歯牙の歯髄から、Gronthosらの方法に準じて歯髄細胞の分離・培養を行い、これまでと同様の条件で実験を行えることを確認した。 2) プロテインアレイ法を用いたシグナル経路の網羅的検討:TNF-αおよびIL-1βにてそれぞれ刺激した歯髄細胞よりタンパク質を採取し、プロテインアレイ法を用いて、どのシグナル経路がTNF-α刺激により特異的に活性されているかを網羅的に検討するため、現在準備を進めている。 2014年8月26日に日本再生歯科医学会学術大会にて発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄細胞において,TNF-α刺激により誘導されるシグナル経路をプロテインアレイ法を用TNF-α刺激により誘導されるシグナル経路を抽出する為に、TNF-α、IL-1βで処理した歯髄細胞と無処理の歯髄細胞から蛋白質を回収し、プロテインアレイを用いて網羅的に解析、検討する予定である。 細胞のリプログラミングの関与が予測されるシグナル経路に関して、そのシグナル経路促進剤または阻害剤を細胞に作用させ、シグナル経路の制御がうまくいっているかを,Western blotting法にて確認する。 加えて、マウス露髄モデルを用い同定したシグナル経路の阻害剤もしくは活性剤が修復象牙質形成能を有しているか形態学的、組織学的に検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度は研究環境の整備や、実験に使用する歯髄細胞の採取・培養・保存に時間を費やしたため、今年度内に購入・使用予定であった試薬などが購入できていないことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
引き続き培養細胞を用いた分子生物学実験の為に培養関連の試薬、消耗品およびリコンビナントタンパクを購入する。また、同定された因子の動物への効果を検討するため免疫不全マウスの購入も予定している。加えて国内の学会に参加し最新の知見を得るとともに積極的な成果発表を行う為の旅費としても使用する。
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Research Products
(1 results)