2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26861791
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北村 尚正 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (50614020)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 含歯性嚢胞 / 骨吸収 / 圧迫培養法 / 骨形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
主たる研究に付随し次のような研究結果を得た。 含歯性嚢胞のような発育性嚢胞による骨吸収の分子メカニズムは明らかにされておらず、嚢胞内圧上昇による周囲組織への圧迫により骨吸収が生じると考えられている。細胞外圧力が嚢胞を構成する細胞にどのような影響を与えるのか圧迫培養法を用いて検討した。含歯性嚢胞の嚢胞内圧は約0.01MPa(約80mmHg)であったという報告から、含歯性嚢胞を構成する細胞種(歯原性上皮細胞株、歯肉線維芽細胞株、骨肉腫由来骨芽細胞株)に対して、37℃恒温槽内の密閉空間にて同圧をかけて培養することで、歯原性嚢胞を想定した圧迫培養を行った。 病理組織を用いた免疫組織学的検討においては、RANKL陽性細胞は間葉系結合組織、特に隣接する組織との境界付近に多く発現していた。また、Real time RT-PCR法を用いて、3および6時間の圧迫培養を行った各細胞について骨形成および骨吸収に関連する遺伝子のmRNA発現量の変化を解析したところ、持続的な低圧に対して間葉組織から骨吸収サイトカインが放出された。6時間圧迫を受けた骨芽細胞においては、むしろ骨形成に関連する遺伝子の上昇が認められた。 歯原性嚢胞を想定した圧迫培養系において、骨吸収に関連する分子群の解析を行ったところ、持続的な低圧に対して間葉組織から骨吸収サイトカインが放出され、骨芽細胞においては、むしろ骨形成に関連する遺伝子の上昇が認められた。これらの結果から、嚢胞による緩徐な骨吸収には間葉系組織が中心的な役割を担っていることが示唆された。今後さらなる詳細な分子メカニズムを解析し、これらを応用した新規治療薬の開発、再生医療への応用を目指して行きたい。
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