2015 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病関連歯周炎におけるHMGB1-RAGEの役割
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26861818
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中島 由紀子 徳島大学, 大学病院, 助教 (70709526)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | HMGB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.AGE刺激によるHMGB1の発現・遊離調節機構の解明 始めにヒト口腔上皮細胞(TR146)を用い,AGEがHMGB1の発現及び遊離を促進するかどうか調べた。ヒト口腔上皮細胞にAGEを添加して48時間培養した後に,total RNAを採取し, HMGB1, RAGE, TLR2, TLR4, IL6の発現をリアルタイムPCRにより測定した。その結果,HMGB1の発現量はAGEの添加で4倍, RAGEは3倍, TLR2は4倍, TLR4は4倍, IL6は5倍 と有意に増加した。このことからAGEがHMGB1 ,RAGE, TLR2, TLR4, IL6の発現を促進することが分かった。 2.HMGB1が歯周組織細胞に及ぼす影響の検討 HMGB1が歯周組織に及ぼす影響についてヒト口腔上皮細胞(TR146)を用いて検討を行った。ヒト口腔上皮細胞にHMGB1を添加し,6時間培養した後に培養上清を採取し, TNFα蛋白質の発現をELISAキットにより定量測定した。その結果TNFαの発現量は1.5倍に有意に増加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AGE刺激によるHMGB1の発現・遊離調節機構の解明や、HMGB1が歯周組織細胞に及ぼす影響の検討など計画していたテーマに沿って順調に実験結果がでていることからおおむね順調な進行状況であることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は糖尿病関連歯周炎の模倣条件としてAGEとP.g-LPS刺激を行った培養細胞にさらにsiRNAを添加してHMGB1をノックダウンし,糖尿病関連歯周炎におけるその機能解析を中心に進める。具体的にはHMGB1およびRAGE,TLR2,TLR4のsiRNAを用いて各種因子をノックダウンすることでHMGB1の歯周組織細胞におけるシグナル伝達経路やその役割について機能解析を行う予定としている。
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Causes of Carryover |
平成26年11月1日から平成27年2月17日まで産前・産後休暇を取得し,「産前産後の休暇又は育児休業の取得に伴う補助事業期間延長承認申請書」により1年の期間延長手続きを行ったため次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の予定であった「HMGB1およびRAGE,TLR2,TLR4のsiRNAを用いて各種因子をノックダウンすることでHMGB1の歯周組織細胞におけるシグナル伝達経路やその役割について機能解析を行う」ことを計画の修正により28年度の予定としていることから,これらの研究に次年度使用額を充てる計画である。
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