2014 Fiscal Year Research-status Report
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26870157
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大浦 弘樹 東京大学, 大学院情報学環, 特任助教 (90466871)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | システム開発 / 教授法開発 / 統計教育 / 科学教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統計的な思考力の育成を目的とした、統計的表象を伴った探究型学習活動を促すための学習支援システムの開発である。平成26年度の研究計画として、1)最新研究の現地調査と2)学習活動のデザインと支援システムの設計・開発の2つがあった。現地調査の一環として、2014年6月に米国コロラド大学・ボルダー校(University of Colorado Boulder)で開催された国際会議ICLS2014に参加し、身体的活動の統計的表象を使った探究型学習(Moher et al., 2014)など、データ収集→分析までを含めたデータ分析に従事させる学習科学の研究動向について調査を行った。また、システムの技術的な検討の一環として、統計的表象の画像生成ライブラリ(例. rApache, Shiny, D3.jsなど)に関する調査を行った。
学習活動のデザインとして、上記の研究動向やWatson (2006) などの文献を参照しながら、0)探究テーマ・コンテクストの設定(カリキュラムによって異なる)→1)リサーチクエスチョン・仮説の生成→2)データ収集の計画・実施→3)分析方法(モデル)の選択→4)統計量の算出・解釈→5)分析結果に基づいた結論・説明の構築→6)他者との議論→7)振り返り・説明の修正を含む探究活動が(理想的な)モデルであることがわかった。このうち、特にシステムで支援すべきプロセスとして3)や4)に加え、2)の収集したデータを取り込むプロセスも重要であることがわかった。これらの知見を元にWebベースのアプリケーションを設計し、オープンソースを活用して統計的表象を生成する基盤部分の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
学習活動のデザイン要素・プロセスの特定や統計的表象生成の基盤部分の開発は予定通りに進んでいるが、既存のLMSとの連携部分の実装作業を引き続き行っている。また、システム評価に向けた協力校(者)の選定、評価実験の計画を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、LMSとの連携部分を含めた実装を夏までに終了し、夏以降にシステムの評価実践を行う予定である。探究テーマ・コンテクストとして既存のカリキュラム教材を用いる 。(協力校の)学生数名を対象に本システムを使用した学習プロセスを映像・音声で記録し、統計的表象とのインタラクションから生まれる発話を中心に分析を行うことで、システムの有用性について評価を行う。そして、その結果に基づき必要なシステム機能の追加・修正を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に購入を予定していたコンピュータ機材の一部が未購入のため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の未購入の機材を本年度中に購入する。
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