2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルメディア利用による情報環境の偏りが有権者にもたらす影響
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26870749
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
稲増 一憲 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (10582041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インターネット / 政治知識 / ウェブ調査 / 副産物的政治学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
有権者に多くの選択肢を与えるインターネットの普及は、党派性に基づく選択的接触研究への注目を高めたが、実際には党派性に基づきメディアを選択する者は少ない。一方、選択肢の増加に伴う偶発的・副産物的ニュース接触の減少により、娯楽・ニュース志向という有権者の選好が直接接触に反映され、政治・国際ニュースについての知識の差が拡大する選択的接触については、党派性を持つ有権者が少なくとも起こる。本研究は、この選択的接触に注目し、インターネット上のサービスが選好に基づく知識の差を拡大するのか縮小するのかについて検証した。2014年9月下旬に、従属変数である政治・国際ニュース知識を測定する質問を選定するため、関西学院大学応用心理科学研究センターの実験参加者募集システムに登録している学部学生のうち200名を対象に予備調査を行った。2014年8月および9月前後のニュースを題材に、(国内)政治・国際・社会文化・スポーツの4ジャンル10問ずつ計40問の4択の時事問題を作成し、半分の5問ずつ計20問の質問を100名ずつの対象者に行い、各設問の正答率を求めた。その上で、2014年10月にウェブ調査サービスFastaskの登録モニタ17637名を対象としたスクリーニング調査を行った。本調査の配信は2000名の回収を目標に行ったが、最終的に2250名の協力を得た。オンライン調査による検証の結果、選好に基づく知識の差の縮小に貢献すると考えられるのは「ポータルサイト」「新聞社サイト」「2ちゃんねるまとめサイト」、差を拡大すると考えられるのは「ニュースアプリ」「Twitter」であった。2015年6月に第一波の回答者を対象に第2波のデータを取得した。第2波の回答者は1762名である。このデータについては1波と知識回答項目の回答傾向が異なっていたため、縦断的な分析が困難であるが、今後活かし方を考えていきたい。
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Research Products
(3 results)