• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2014 Fiscal Year Research-status Report

植物におけるセリン生合成制御の分子基盤解明

Research Project

Project/Area Number 26870855
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

岡村 英治  独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員 (90604398)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsplant / arabidopsis / serine / allosteric
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、植物のL-serine生合成を担うリン酸化経路とその代謝制御における分子基盤解明を目的とする。以下、平成26年度の研究内容と結果及び進行状況について述べる。

研究内容;(1)制御の鍵酵素3-ホスホグリセリン酸デヒドロゲナーゼ(PGDH)の大腸菌組換え酵素を用いた活性制御機構の解明,(2)シロイヌナズナにおけるPGDH遺伝子発現制御機構の解明,(3)シロイヌナズナにおけるリン酸化経路に関わる酵素遺伝子群の細胞内局在解析,(4)シロイヌナズナにおけるPGDH遺伝子の一重変異体作成

結果及び進行状況;(1)シロイヌナズナ及びイネに由来する3つのPGDHアイソザイムにおいてL-serineによる活性阻害に加え、L-methionineやL-homocysteine、L-homoserine、 L-alanine、L-valineによる活性促進を見出した。また、アミノ酸添加時のヒル係数及び50%効果濃度の解析から、上記アミノ酸がPGDHの酵素活性制御におけるアロステリックエフェクターであるとの確証を得た。さらに、変異酵素実験から、上記アミノ酸の作用部位が異なる可能性を明らかにした。(2)野生株(Col-0株)のL-serine添加生育条件下におけるPGDH遺伝子の発現量をRT-PCRにより解析した。その結果、非添加時と比較して発現量に有意差は観察されず、L-serine依存的な発現制御は存在しないと結論した。(3)蛍光タンパク質の凝集により解析ができず、現在、発現系の再構築を行っている。(4)T-DNAが挿入されたホモラインの選抜を行い、2つのPGDH遺伝子の一重変異体を取得した。残る1つのPGDH遺伝子は、一重変異体が胚性致死となるため、ヘテロラインの生育においてL-serine栄養相補条件下でのホモラインの確立を目指したものの、一重変異体を取得することはできなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究内容(1)に関する生化学的実験は当初の計画を変更した。これまで、組換え酵素のアフィニティ精製をヒスチジンダグにより行っていたが、より純度の高い組換え酵素の取得を目的として異なるアフィニティタグを付加する発現系へ変更した。このため、シロイヌナズナ由来PGDH組換え酵素の酵素基質親和性(Km値)、最大反応速度(Vmax値)及び反応回転数(Kcat値)、さらにはアミノ酸感受性スクリーニングの比活性データをすべて再取得した。さらに、当初は予定していなかったヒル係数及び50%効果濃度の算出を行った。このため、オオムギ及びヒメツリガネゴケ由来PGDHの組換え酵素の取得とそれら酵素学的パラメータの算出、さらにはアミノ酸添加による比活性や酵素学的パラメーター変動解析については平成27年度に行うこととした。発現系の再構築及びヒル係数や50%効果濃度の検討により、アミノ酸添加による酵素学的パラメーターの変動を解析する上で重要な基盤を得ることができたため、本項目の研究は計画の変更を伴ったものの、おおむね順調に進展していると考える。次に研究内容(2)の局在解析に関しては、蛍光タンパク質の凝集により目的を達成できず、大幅な計画の遅延となった。しかし、すでに異なる実験系を構築しており、今後、順調に進展するものと期待される。さらに研究内容(3)に関する転写制御実験に関しては、当初の計画通りに実験を終了したため、順調に進展したと考える。最後に、研究内容(4)の遺伝子破壊株作成に関しては、目的とする3つの遺伝子の一重変異株のうち胚性致死を示す1つの遺伝子の変異株が取得できていないものの、同遺伝子の転写抑制株作成を開始しており、本項目の実験に関してもおおむね順調に進展していると考える。以上4項目を総括して、おおむね順調に進展していると評価する。

Strategy for Future Research Activity

研究内容(1)に関する生化学実験において、シアノバクテリア由来PGDHの大腸菌組換え酵素が不溶性となることが明らかとなった。そこで、同組換え酵素の発現では、各種シャペロン共発現系による組換え酵素の取得を予定している。また、変異酵素実験に関しては、制御を担うと考えられるアミノ酸配列をトランケートした変異酵素の活性検討を予定していたが、同変異酵素はすべて不溶性となった。シロイヌナズナ及びイネ由来PGDHアイソザイムは、アミノ酸に対する感受性を持つ感受型と、持たない非感受型が存在することを明らかにした。そこで、シロイヌナズナ由来PGDHにおいて、アイソザイム間でのアミノ酸領域の交換を行った変異酵素の生化学的解析を行い、アミノ酸の結合に関する一定の知見を得ることができた。そこで、以降の変異酵素実験では当初予定していた部位特異的変異導入酵素の解析を継続して行うとともに、新たにアミノ酸領域の交換による変異酵素作出と活性検討を行う予定である。次に研究内容(2)の細胞内局在解析に関しては、すでに異なる発現系の構築を開始している。具体的には、これまで35Sプロモーターによる発現系を用いていたが、これを各遺伝子上流に存在すると考えらえる内在性プロモーターに変更した発現系により局在解析を行う。また蛍光タンパク質の種類に関しても複数検討する予定である。研究内容(4)の遺伝子破壊株実験に関しては、現在胚性致死により一重変異体が取得できなかったPGDH遺伝子の転写抑制株の作成が進行している。ただし本実験の目的は、PGDH酵素の活性制御のin vivoにおける生理学的意義を明らかにすることであるため、研究内容(1)の変異酵素実験において明確な結合機構が明らかとなった場合は、TALENやCRISPR/Cas9等によるゲノム編集による変異株作成も検討する。

Causes of Carryover

当初予定していた出張計画の変更に伴う費用、並びに論文出版計画の変更に伴う英文校閲の費用の余剰が次年度使用額が生じた理由である。

Expenditure Plan for Carryover Budget

出張及び論文出版計画は次年度にそのまま移行する予定であるため、その費用として用いる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 2014

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] シロイヌナズナ由来PGDHの活性制御ドメインにおける含硫アミノ酸結合機構の生化学的解析2015

    • Author(s)
      岡村 英治、平井 優美
    • Organizer
      日本農芸化学会2015年度大会
    • Place of Presentation
      岡山大学津島キャンパス(岡山県・岡山市)
    • Year and Date
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [Presentation] Biochemical elucidation of binding mechanisms of sulfur containing amino acids to regulatory domains on PGDH from Arabidopsis2015

    • Author(s)
      Eiji Okamura, Masami Yokota Hirai
    • Organizer
      第56回日本植物生理学会年会
    • Place of Presentation
      東京農業大学世田谷キャンパス(東京都・世田谷区)
    • Year and Date
      2015-03-16 – 2015-03-18
  • [Presentation] Elucidation of L-methinine and L-serine binding mechanisms in ACT domain of PGDH from Arabidopsis thaliana2014

    • Author(s)
      Eiji Okamura, Masami Yokota Hirai
    • Organizer
      第37回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • Year and Date
      2014-11-25 – 2014-11-27

URL: 

Published: 2016-06-01  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi