2014 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育におけるキャリア教育を支援するための協調学習教材の開発と評価
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26882011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福山 佑樹 東京大学, 総合文化研究科, 特任助教 (90738353)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | キャリア教育 / 高等教育 / ゲーム学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,大学教員がキャリア教育に利用可能な「大学生が主体的なキャリア意識を発達させるためのキャリア構築理論に基づいた協調学習教材」を開発し,評価を行うものである.本研究では平成26年度を開発・準備期間と位置づけ、下記の研究活動を行った。 まず,本研究で扱う「キャリア構築理論に基づいた協調学習教材」を研究者自身が実践で利用することを念頭に開発を行った.教材は25年度から開発を行っている中高生向けのキャリア教育教材を,高等教育機関におけるキャリア教育に関する調査等を通じて改良する形で実施した.この成果の一部は,日本教育工学会第30回全国大会で口頭発表した. 教材開発に当たっては,高等教育機関におけるキャリア教育に関連する学会における動向調査や,高等教育機関におけるキャリア教育の実態調査を行った.また教育工学やゲーム学習に関連する学会や同分野の研究者との意見交換を通じて,情報収集を行った. また平成26年度の後半では研究者を授業者として,複数の大学での授業実践を行いデータ収集や教材の改良を行った.実践の結果,開発した教材にはおおむね想定どおり大学生のキャリア意識を発達させる効果が確認され,大学生同士の活動でも有効なキャリア教育活動が行われうることが示唆された.一方で教材の改善点も見つかったため,引き続き27年度も教材の改良を続ける.26年度の実践の成果は27年度中に学会発表や論文投稿を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度には「教材開発のための調査と教材の開発」と「申請者を授業者とした開発した教材の効果検証」を計画しており,これらに関しておおむね順調な進捗がみられた. 「教材開発のための調査と教材の開発」に関しては,キャリア教育に関する調査やキャリアカウンセラー等へのヒアリングを通じて,「大学生にキャリア構築理論に基づいた協調学習を行うための教材」(以下,「教材」と呼ぶ)の開発を行った.開発では,申請者がこれまでに開発したナラティブ・アプローチに基づいて生徒・学生が相互に他者があげたキーワードを元に現在の問題の解決法を考えあうワークである,「かってにハッピーエンドゲーム」(福山 2013)を参考にした.26年度では,このワークをよりキャリア教育のために効果的な構造にするためにキャリア教育の専門家へのヒアリングや文献調査,学会での情報収集を通じて,キャリア教育教材としての改良を加えた. 教材は教員が教室で利用することを想定し,紙媒体で開発した.教材は公募により大学生に協力を求め,複数回のテストを繰り返し改良を行った.また日本教育工学会での学会発表を行い,専門家への意見を求めた. 教材の一旦の完成後は,「申請者を授業者とした開発した教材の効果検証」を行った.実践は申請者が非常勤講師を務める大学や研究協力を承諾した大学における授業において行った.結果,開発した教材はすべての学校において一定の効果があることが確認された.一方で大人数講義への対応などに課題が見られたため,27年度にも教材の改良を行う予定である.予定していた講義型のキャリア教育との比較に関しては,実践校の都合等により26年度は実施できなかったため27年度に行う予定である.以上のように,若干の変更はあったものの,本研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度には「実験結果を踏まえての教材の改良」,「キャリア教育を専門としない教員を授業者とした実践の実施」,「国内外の学会での研究成果の発表」を行う. 26年度の研究結果より現時点での教材には大人数講義への対応などに課題が見られるため27年度の前半ではキャリア教育を専門としない教員を授業者にも有益な教材とするための改良を行う. 改良に一定の目処が立った段階では,「キャリア教育を専門としない教員を実践者とした実践」を行う.この実践では,教材が「キャリア意識」に与える影響に加えて,複数の教員による評価によって,教材の現場での有効性という観点からも検討を行う.そして,26年・27年度の2つの実験結果を考察し,開発した教材の意義と課題や,「キャリア構築理論に基づいたキャリア教育を効果的に行うための教材のデザイン原則」を検討する. 実践の分析に際しては,量的データと質的データを組み合わせる混合研究法(Creswell and Clark 2007)を用いることで,精緻に分析を行う.具体的には,アンケートによる量的データの統計的手法による解析と,質的データについては,定性的コーディング等の手法を用いて丁寧に内容の分析を行うとともに,音声データ等はテキストマイニングによる分析も視野に入れている.なお,データ入力や分析については必要に応じて大学院生に協力を仰ぐ. 得られた知見は,成果報告を国内外の学会にて行い,教材の完成版は研究を詳細するためのWebページを作成し公開することで,広くキャリア教育担当教員に使用してもらえるようにする.
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Research Products
(2 results)