2015 Fiscal Year Annual Research Report
ジャマイカ、スキン・ブリーチングが刷新する黒人性に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
26884079
|
Research Institution | Osaka Butsuryo University |
Principal Investigator |
神本 秀爾 大阪物療大学, 保健医療学部, 助教 (30732622)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | ジャマイカ / 黒人性 / 身体変工 / 薬剤 / ポピュラー文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、スキン・ブリーチングという肌の脱色行為を、ローカル、ナショナル、グローバルな諸力のせめぎ合いの中で構築された複数の身体イメージをめぐっておこなわれる身体加工実践と位置づけ、その実践を通じて生成する共同性のあり方について考察することである。 平成27年度は、平成26年度と同様に資料・史料の分析を含む文献研究と海外調査研究をおこなった。文献研究に関しては、1.ジャマイカにおける伝統的な身体観とジェンダー観、2.ボディ・イメージやボディ・メイキング実践に関する理論的分析を進めた。夏期の海外調査研究では、1. 首都キングストンのショッピングモールや露店で販売されている商品のポスターやパッケージ、イメージ写真などから、理想的な身体イメージを把握したうえで、2.実践者だけでなく非実践者を対象としたインタビューをおこなった。 平成27年度に発表した研究成果は、1件の学会発表と、その内容を発展させた1本の論文である。『黒人研究』85号に執筆した「加工を通じて雄弁な身体を獲得する――肌を脱色するジャマイカ黒人の新たな美学」は、平成26年度以降の文献研究の成果を中心とした論考である。先行研究だけでなく、実践者、非実践者双方のメディア上での言明なども、人種問題としてのスキン・ブリーチングの是非に収斂する傾向があり、当事者たちの生の声は捨象されことがほとんどであった。そこで本論考では、スキン・ブリーチング実践をめぐる各種の言説を整理した上で、実践者によるスキン・ブリーチングの美的側面に関する言明に焦点を当てて論じることで、スキン・ブリーチング実践者内部の多様性と通時的な変遷を明らかにすることができた。平成27年度中に発表できなかった成果については平成28年度以降継続して発表していく予定である。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)