2014 Fiscal Year Annual Research Report
理科学習促進のための言語活動を取り入れた授業構成-アーギュメント概念に着目して-
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26885008
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
泉 直志 筑波大学, 人間系, 研究員 (50734894)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | アーギュメント / アーギュメンテイション / NGSS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、理科学習促進のため、科学文化の内面化という観点から、科学の社会言語と目されるアーギュメント(アーギュメンテイション)を実際の理科授業の中で生じさせる授業の構成を、授業のビデオ分析、教師へのインタビュー分析、先行研究による文献調査、また、それら相互の検討により明らかにすることである。 この目的達成のために、まずは「日本理科授業における教授・学習活動の実際を明らかにする」ことを目的とした下位目標を達成すべく、本年度は、問題状況の把握のため、学習者(中学生)の論証能力に関する実態調査を行った。現在(2015年4月)、研究成果をまとめ論文としてまとめているところであるが、実証的データに基づく、学習者の論構成の能力について明らかにすることができた。 また、同時に「諸外国におけるアーギュメント促進のための教授方略を横断的に分析する」ことを目的に、Next Generation Science Standards(以下、NGSSと表記する)の分析を行った。NGSSは直接的には、アーギュメント促進のための教授方略というわけではないが、NGSSを構成する3つの次元(Three Dimensions)のうちの一つである“Practices”に“Engaging in argument from evidence”という項目が設定されていることから、NGSSにおいてアーギュメントが科学者の行う活動の一部として位置づけられているためである。本分析を通して、学年が進むにつれてどのような内容がどのように位置づけられているのかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の行われている理科授業の全体を収集し、授業の特徴を分析する予定であったが、授業への参与観察の時間的問題から、授業の「実験結果から結論を導出する部分」のみが分析の対象となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、現状の理科授業の実態についての現状把握について、昨年度に引き続き継続する。 第二に、下位目標である「諸外国におけるアーギュメント促進のための教授方略を横断的に分析する」及び「先行研究との比較により,アーギュメント促進のための授業構成を創出する」に関連して、アーギュメント促進のための教材分析を行う。
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Research Products
(1 results)