2014 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙線生成核種を用いた過去2500年の巨大SPE調査
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26887019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 芙沙 名古屋大学, 高等研究院(宇宙), 助教 (90738569)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 宇宙線生成核種 / 大規模SPE |
Outline of Annual Research Achievements |
樹木年輪中放射性炭素14(14C)濃度の単年測定から、西暦774-775年と西暦993-994年に急激な宇宙線増加イベントが見つかった。これらイベントの原因として有力なのは、太陽フレアやコロナ質量放出によって引き起こされるSolar Proton Event (SPE)と呼ばれる現象と、ガンマ線バーストである。本研究の目的は、宇宙線イベントの原因を追究し、さらに14C濃度の測定範囲を拡張させ、さらなる宇宙線イベントを検出することである。 平成26年度は、14Cイベントの原因を特定するために、南極ドームふじアイスコア中のベリリウム10(10Be)濃度の単年測定を行った。775年前後に該当するアイスコア中の10Be濃度測定により、バックグラウンド変動に対して明らかに大きな10Be濃度増加を検出した。Pavlov et al.(2013)によると、仮に10Be濃度の増加が確認された場合、原因はガンマ線バーストではないと見積もられている。本研究の10Be濃度測定から、明らかな10Be増加が確認され、原因に対する制約を与えた。この成果は、Miyake et al. GRL(2015)に発表した。 また、14C濃度の測定期間を延長するため、さらに長期にわたる樹木サンプルが必要となる。世界有数の長期間樹木コレクションを保持するアリゾナ大学の年輪研究所とAMS研究所グループとの共同研究を開始した。平成27年1月から、長期間アリゾナ大学に滞在し、アリゾナ大サンプルを使用して14C濃度測定を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の通り、775年イベント周辺の単年10Be濃度測定を完了し、宇宙線イベントの原因に対する制約を与えた。また、アリゾナ大学との共同研究を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
アリゾナ大学の樹木サンプルを用いて、宇宙線イベントが疑われる年代(先行研究の14Cデータの10年値において、増加の傾きが大きい年代を対象)の14C濃度単年測定を行い、さらなるイベントの検出を目指す。また、994年イベントについても10Be濃度単年測定を行い、原因に対する議論を行う。
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Research Products
(4 results)