2014 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボスポンディン制御による消化器癌の放射線耐性解除に関する研究
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26893177
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高須 千絵 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (70582823)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】Thrombospondin 1 (THBS1)は腫瘍血管の正常化による腫瘍内の酸素分圧上昇効果により放射線増感作用も期待できる。消化器癌におけるTHBS-1の発現につき、発生、癌進展、治療抵抗性における役割について検討を行った。 【方法】1.胃癌39例の癌部・非癌部におけるmRNA発現と臨床病理学的因子、CD36、TAT3、smad4との関連を検討 2.大腸癌肝転移94例(初回肝切除、治癒切除)におけるTHBS1発現とMVD、Ki-67、E-cadherinの関連を検討 3. 術後再発胃癌65例におけるTHBS-1と放射線化学療法抵抗性と関連するCD133の関連を検討 【結果】1.癌部: THBS-1 mRNAは腹膜播種症例、進行癌で高値であった。5年OSは高値群で有意に予後不良であった。5年DFSはR0症例で、高値群で予後不良であった。非癌部: 多発癌と関連し、CD36、smad4、STAT3いずれも、THBS1高値群で有意に高値であった。2. 転移性肝癌においてTHBS1陽性群はGradeが低く、リンパ節転移は少なかった。THBS-1陰性は独立予後不良因子であり、再肝切除率が低率であった。MVDとの相関は認めず、Ki-67 LIは高値、E-cadherinが低発現であった。3.CD133陽性群、THBS1陽性群では陰性群に比し有意に予後不良であった。CD133陽性とTHBS1陽性は独立予後不良因子であった。 【結論】1. 胃癌において癌部THBS1発現は腹膜播種・予後に関連しており、非癌部発現は多発胃癌に関連していた。 2. 大腸癌肝転移においてTHBS-1発現は腫瘍増殖、EMTに関連し、予後因子として有用である可能性がある。 3.胃癌において、THBS1・CD133発現はともに予後に関連していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胃癌患者におけるTHBS-1とCD133の発現についての検討に関して論文報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍内におけるTHBS1発現と放射線抵抗性並びに血管新生遺伝子の変化の検討を行う。また、HDAC阻害剤と放射線治療併用によるTHBS1発現と血管新生関連、Autophagy関連因子、微小循環関連遺伝子の変化を検討し、放射線増感作用を検討する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] The Relationship of CD133, Histone Deacetylase 1 and Thrombospondin-1 in Gastric Cancer.2015
Author(s)
Eto S1, Yoshikawa K2, Shimada M1, Higashijima J1, Tokunaga T1, Nakao T1, Nishi M1, Takasu C1, Sato H1, Kurita N1.
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Journal Title
Anticancer Res
Volume: 35
Pages: 2071-2076
Peer Reviewed
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