2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライトDNAマーカーを用いたシオミズツボワムシの遺伝的モニタリング
Project/Area Number |
26925023
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Research Institution | 有限会社まる阿水産 |
Principal Investigator |
澤山 英太郎 有限会社まる阿水産, 生産部開発課, 課長/企業の職員
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シオミズツボワムシ / マイクロサテライトDNA / クローン多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
海産魚の種苗生産において初期餌料として用いられているシオミズツボワムシ(S型ワムシ)の個体数増減と遺伝的多様性についての関連を、マイクロサテライトDNAマーカーを用いたクローン解析により検討した。まず、クローン解析に必要なマイクロサテライトDNAマーカーの選定を行ったところ、4つのマイクロサテライトDNAマーカーを用いてクローン判別をすることで解析集団の全てのクローン型が特定でき、ミトコンドリアDNAのCOIハプロタイプとも一致することが分かった。次に、S型ワムシを1ヶ月間培養し、増殖良好時と培養不調時のワムシについて、ミトコンドリアDNA COI領域によるハプロタイプ解析とマイクロサテライトDNAマーカーによるクローン型解析を行った。ミトコンドリアDNA COI領域による株型判別の結果、全てのワムシはBrachionus plicatilis sp. “Cayman”と判別された。また、培養良好時には2~3種類のハプロタイプが混在していたが、培養不調時には1種類のハプロタイプのみが確認された。マイクロサテライトDNAによるクローン型解析を行ったところ、80個ものクローン型が識別された。また、培養良好時のワムシのクローン多様度は培養不調時と比べて高い傾向が見られた。以上の結果から、ワムシの培養が良好な時はワムシの遺伝的多様度が高いことが明らかとなり、ワムシの個体数増減に遺伝的要因が関与する可能性が示唆された。しかしながら、飼育環境が良好であることで隠蔽種も良好な増殖をし、その結果として遺伝的多様度が高まった可能性も否定できない。そのため、今後は本研究で見られた主要なクローン型を用い、単一クローンでの培養、ならびに複数クローンでの混合培養を行い、個体数の増減と遺伝的多様性の関係について実験的に解析していく必要がある。
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Research Products
(4 results)