1985 Fiscal Year Annual Research Report
NMRおよびSPECTによる虚血性心疾患の映像診断法の開発と効用性の検討
Project/Area Number |
59440050
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯尾 正宏 東京大学, 医, 教授 (80143486)
|
Keywords | 虚血性心疾患 / MRI / SPECT / Gd-DTPA / Gd標識抗ミオシン抗体 |
Research Abstract |
NMRでは、昭和60年3月に設置された1.5Tの超電導MR装置で発症後2ヵ月以内の新鮮な心筋梗塞症について症例の蓄積を行った。 1.5T装置でも0.35T装置同様、梗塞巣に【T_2】緩和時間の延長がみられ、経過観察では、症状の軽い症例では【T_2】緩和時間の延長が短時間に認められなくなり、重症例では【T_2】緩和時間の延長が長期間認められ、MRIが経過観察に有用であるとの結果が得られた。犬に対する人工的心筋梗塞巣の実験では、造影剤としてGd-DTPAとGd標識抗ミオシン抗体を使用して行った。Gd-DTPAでは、梗塞巣と頃梗塞心筋の差が静注前よりも静注直後でMRI上著明に認められた。Gd標識抗ミオシン抗体では、Gdと抗体量との最適な量的関係を検討している段階であるが、現在まで画像として描出できていないが、ミニスペックで測定した組織の【T_1】 【T_2】値あるいは【T_2】計算画像で標識抗ミオシン抗体が梗塞巣に集積していることが確認された。 SPECTでは【^(111)In】In標識モノクローナル抗ミオシン抗体の梗塞巣への経時的な集積を人工的心筋梗塞巣につき検討している。現在、臨床で梗塞巣に集積する製剤として使用されている【^(99m)Tc】-PYPは、発作後1週間以内の非常に短期間しか梗塞巣に集積しないが、我々の開発したモノクローナル抗ミオシン抗体は、発症後3週間でも梗塞巣に集積することが確認された。 このように、我々の研究の2本の柱であるNMRとSPECTは各各虚血性心疾患の診断に有用との結果が得られた。また、抗ミオシン抗体のGd標識より梗塞巣のMRIによる描出が増強される可能性が確認されたので、今後、抗ミオシン抗体とGdとの適切な量的関係の検討を行い心筋梗塞巣の早期診断、経過観察につき検討を加えていくつもりである。
|
Research Products
(2 results)