1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60214018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 俊一 京都大学, 理, 教授 (00025272)
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Keywords | エンドソーム / ウイルス / プロセシング / 細胞内侵入 / 酸性化 / アデノウイルス / エンドソーム / 蛍光標識 |
Research Abstract |
受容体を仲介するエンドサイトーシスにおいて、エンドソーム内での酸性条件下でのプロセシングが重要である。我々はインフルエンザウイルスの細胞内侵入において、エンドソームの酸性条件下での膜融合が、そのゲノムを細胞質に移すのに必須であることを明らかにしてきた。本研究では、エンベロープをもたないウイルスとしてアデノウイルスを取り上げ、細胞内侵入の機構をエンベロープをもつウイルスのそれと比較研究した。 1.アデノウイルスによって引き起こされる高分子のエンドソームから細胞質への放出の増加 FITCで蛍光標識したデキストランをアデノウイルスと共存させると、KB培養細胞に取り込まれたデキストランは、ウイルスなしの時に較べて2〜3倍に増加し、蛍光顕微鏡で調べるとデキストランは細胞質中に放出されていた。ウイルス感染後20分経ってからではこのような効果は著るしく減少していた。また酸性小胞のpHを上げるアンモニア等の弱塩基化合物を加えるとウイルスの効果は抑制された。 2.ウイルス核酸の標的細胞内の輸送 【^(32)P】で標識したアデノウイルスを用い、KB細胞の核分画への輸送を測定した。アンモニア等の弱塩基は、この輸送を部分的に阻害しウイルスに特異的なたん白質の合成も阻害した。 以上のことから、エンベロープを持たないアデノウイルスでも酸性化したエンドソーム内でプロセシングがおこり、細胞質内への侵入がおこること、またその時に、一緒に取り込まれたデキストラン等の高分子も細胞質中へ放出されることが示された。またこのプロセシングがインフルエンザウイルスの時に比して弱い酸性条件下でもおこるので、アンモニア等の弱塩基の効果が弱いのであろう。
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Research Products
(1 results)