1985 Fiscal Year Annual Research Report
膜輸送障害に基づくアミノ酸代謝異常症の病因解析に関する研究
Project/Area Number |
60227017
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
大柳 和彦 札幌医科大学, 医, 助教授 (10045388)
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Keywords | 高リジン血症 / Lysine-α-ketoglutarate reducfase / Saccharopine dehydrogenase / 膜輸送障害 |
Research Abstract |
1. 研究目的: リジンの分解酵素活性が正常な高リジン血症の同胞例について高リジン血症の成因がリジンの細胞内輸送障害と推定し、患者とコントロールの培養皮膚線維芽細胞を用いてリジンの取り込み代謝動態を検討した。 2. 研究方法:肝におけるリジン代謝酵素(Lysine-α-keto-glatarate reductase,Saccharopine debydrogenase)の活性測定はHutzlerらの方法を用いた。培養皮膚線維芽細胞を用いたリジン、ロイシン(コントロールのアミノ酸として)の取り込み代謝動態はDancisらの方法を応用した。 3. 研究成績:肝におけるLysine-α-Keto-glutarate reductase,Saccharopine debydrogenaseは患者とコントロールとでは有意の差は認められなかった。 次にリジンおよびロイシンの取り込み代謝動態では、ロイシンを用いた場合、患者とコントロールの差は認められなかった。しかしリジンを用いての実験ではいわゆる低〜生理的基質濃度下においてコントロール群と比較して患者では明らかな活性低下を認めた。一方リジンの高濃度基質下では患者とコントロールの差は認められなかった。 4. 結論:以上の実験結果から本症の成因はリジンのミトコンドリア内へのactive transportの障害によることが示唆された。
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