1986 Fiscal Year Annual Research Report
モデリングと制御系設計の整合理論に関する総合的研究
Project/Area Number |
60302050
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 俊行 東大, 工学部, 教授 (60010724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相良 節夫 九州大学, 工学部, 教授 (60037679)
須田 信英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029410)
荒木 光彦 京都大学, 工学部, 教授 (60026226)
伊藤 正美 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023021)
田川 遼三郎 北海道大学, 工学部, 教授 (70001097)
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Keywords | モデリング / 動特性表現 / 同定 / 設計仕様 / 制御系設計 / パラメータ感度 / ロバスト性 / 整合性 |
Research Abstract |
前年度の研究に引続き、ダイナミカルシステムのモデリング、表現、同定そして制御系の設計法を整合性の面から研究した。モデリングの誤差の構造、モデリングと設計の不可分性を明らかにし、制御系設計との整合性の立場から制御対象のモデリングと同定の方法に要求される諸特性を検討した。ダイナミカルシステムのひとつの原始的表現として、蓄積された入出力データのみによるモデリングと制御の方式、常用の状態方程式とは対照的に物理的システムの実態と整合性のよい状態方程式表現、および同定と設計に整合性のよい、原点をずらしたインパルス応答のテイラー級数展開による表現などを提案し、新しい可能性の糸口を作った。サンプリング周期をゼロに近づけた極限で連続時間系と同等の制御効果を持つという意味で整合性のよい離散時間系の表現にも検討を加え、むだ時間系に対するスミスの補償法のロバスト性を解析し、積分型レギュレータ系の設計とその最適性を解明し、積分型最適レギュレータ系の漸近極の性質と評価関数の荷重係数行列の調整方法を検討し、ロバストな追従制御系の設計法を展開し、同定と設計を全自動で行う適応制御系に知識工学的アルゴリズムを採り入れて、要求される先験情報を緩和する方法を提案し、そのシステムにおけるモデリングと制御系設計の整合問題の所在を明らかにした。また、制御対象,補償要素,制御装置をパラメータ系列で表現し、あわせて設計目標とする望ましい制御系の仕様も系列化して、それらの系列間に適切な関係をもたせることによってモデリングと制御系設計との整合をとることができること、その際、多項式の四則演算の範囲内で行えるようにすることによって容易に設計計算ができることを明らかにした。さらに、制御にとどまらず、計測においてもモデリングと計測との整合性の問題があることを示し、整合理論が工学においても基礎的なものであることの一端を明らかにした。
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[Publications] 古田勝久: 計測自動制御学会論文集. 22. 150-155 (1986)
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[Publications] 藤井聡,早勢実: 計測自動制御学会論文集. 22. 119-120 (1986)
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[Publications] 大久保重範: 計測自動制御学会論文集. 22. 714-715 (1986)
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[Publications] H.Kimura: CONTROL-Theory and Advanced Technology. 2. 1-25 (1986)
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[Publications] 野上博志,前田肇,M.Vidyasagar,児玉慎三: 計測自動制御学会論文集. 22. 1007-1013 (1986)
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[Publications] 相良節夫,江口三代一,和田清: 計測自動制御学会論文集. 22. 508-513 (1986)