1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60304013
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
上野 俊一 科博, その他, その他 (00000109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 泰明 東京農業大学, 農学部・昆虫学研究室, 助教授 (70078096)
西川 喜朗 追手門学院大学, 生物学研究室, 教授 (90079385)
石川 和男 松山東雲短期大学, 生物学研究室, 教授 (30071682)
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Keywords | 洞窟動物 / 地下浅層 / 適応進化 / 分類系統 |
Research Abstract |
現地調査はほぼ当初の計画どおりに進んで、北海道南西部,本州北東部,東海地方,中国地方中央部および西端部,四国南東部,九州北部などの調べをひととおり終わった。それぞれ重要な成果が得られたが、とくに北海道で地下浅層動物相の発見された意義は大きい。また、地下浅層の動物のうちには、津軽海峡を越えてひろがっているもののあることが確認されたので、この発見は、生物地理学的な観点からも貴重な成果となった。なお、同時に調査した奥尻島では、地下浅層動物相の存在が確かめられなかった。先に調査した隠岐の場合と同じように、離島のうちには特殊化した動物の生息しない所のある可能性がある。その他の地方では、これまでに調査されていながら不毛の結果に終っていた三浦半島で、眼の退化した動物が発見されたことや、四国南東部でこの動物相の存在が確認され,分布の空隙がかなり埋まったこと,九州の阿蘇地溝帶の北側で眼の退化した動物が発見され、分布の連続していることが確かめられたこと,などが、特筆に値する成果である。 別記したように、研究成果の一部は、11篇の論文として今年度のうちに公表された。なお、近いうちに印刷できる予定のものが数篇ある。現地調査の必要な地域はまだかなり残っているが、次年度はとにかく既存の資料の残りを整理してまとめる努力をし、のちの研究発展にそなえたい。おそらく今年度と同じ程度かそれ以上の報文が公表できることと期待され、少なくとも上述のとくに重要な成果のすべてが、詳しく学界に知られることとなろう。いずれにしても、地下浅層という生活環境が陸生洞窟動物の大多数を生み出したことは、十分に証明されたと考えられるので、この総合研究の目的は期待どおりに達成された、といってよかろう。その概論は、研究代表者によって執筆され、次年度のうちに公表される予定になっている。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] U【e!´】no,Shun-Ichi: Bull.natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A. 12. 123-127 (1986)
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[Publications] U【e!´n】o,Shun-Ichi: Bull.natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A. 12. 179-184 (1986)
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[Publications] U【e!´】no,Shun-Ichi: J.speleol.Soc.Japan. 11. 1-14 (1986)
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[Publications] U【e!´】no,Shun-Ichi: J.speleol.Soc.Japan. 11. 15-18 (1986)
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[Publications] U【e!´】no,Shun-Ichi: Bull.natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A. 13. 21-27 (1987)
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[Publications] U【e!´】no,Shun-Ichi: Bull.natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A. 13. 29-34 (1987)
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[Publications] Watanabe,Yasuaki: Konty【u!^】,Tokyo. 54. 688-696 (1986)
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[Publications] Watanabe,Yasuaki: J.speleol.Soc.Japan. 12. 19-25 (1986)
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[Publications] Nishikawa,Yoshiaki: Bull.natn.Sci.Mus.,Tokyo,Ser.A. 12. 173-178 (1986)
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[Publications] Nishikawa,Yoshiaki: J.speleol.Soc.Japan. 11. 30-33 (1986)
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[Publications] Kasahara,Sumao.: Konty【u!^】,Tokyo. 55. 139-145 (1987)